長嶋さん 生スピーチ 5・5ファンへ名ゼリフ再び

[ 2013年5月3日 06:00 ]

74年、引退セレモニーでファンにあいさつする長嶋氏

 ミスターの肉声が再び東京ドームに響き渡る。巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(77)が、5日に東京ドームで行われる国民栄誉賞表彰式で、ファンの前で受賞あいさつを行う。04年3月4日に脳梗塞で倒れて以来、球場でファンに向かって肉声を披露するのは初めて。01年9月30日の横浜(現DeNA)戦後に、監督勇退セレモニーであいさつして以来11年7カ月、4235日ぶりにあの甲高い声が帰ってくる。

 ミスターらしい演出で感謝の気持ちを届ける。大観衆に向けた肉声でのあいさつ。04年に脳梗塞で倒れて以来、ファンが待ちわびた長嶋終身名誉監督の生声が、東京ドームで披露されることが決まった。

 巨人は2日、都内の球団事務所で会見を行い、5日に行われる国民栄誉賞表彰式などの概要を発表。OBの松井秀喜氏(38)とダブル受賞となった表彰式で、安倍晋三首相(58)の祝辞の後に長嶋氏がマイクの前に立ち、あいさつを行うことも明らかにした。「パーティーなどで肉声を披露したことはこれまでもあるが、球場のファンの前でとなると初めてになります」と球団広報は説明した。

 04年に脳梗塞で倒れて以来、初めての宮崎キャンプ視察となった07年2月16日。ナインの前で「今年は勝つ。絶対に勝つ。3回言う。勝つ、勝つ、勝つ!OK」と声を張り上げたが、これまで多くのファンにとって長嶋氏の声は間接的にしか聞くことができなかった。大観衆の前でのマイクパフォーマンスとなると、12年前までさかのぼる。原監督にバトンタッチする形で勇退した01年。本拠地最終戦となった9月30日の横浜戦後に行った勇退あいさつが最後だ。東京ドームで背番号3に別れを告げてから4235日ぶりに、大観衆の前でマイクの前に立つことになる。

 国民栄誉賞表彰式に先立って行われる松井氏の引退セレモニーでは、背番号「3」と「55」があしらわれたオープンカーに同乗して場内を一周。さらに始球式では松井氏の投球に対し、バットを持って打席に立つ場面も予定されており、躍動する姿を存分に披露する。

 球団関係者は長嶋氏の近況について「試合を見ながら非常によくお話しになられている。お元気そのものです」と話す。現在も精力的に取り組んでいるリハビリの成果を、ファンへの肉声のプレゼントというサプライズの形で届けるのは、サービス精神旺盛ないかにもミスターらしい演出だ。

 74年に後楽園の引退セレモニーで残した「我が巨人軍は永久に不滅です」という名言のようにミスターの力強い言葉が再び東京ドームに響く。

 ◇長嶋氏の名言アラカルト

 ☆永久に不滅です 74年10月14日、引退試合を終えてマイクの前に立ちファンにあいさつ。最後に「私はきょう、ここに引退いたしますが、我が巨人軍は永久に不滅です!」と名フレーズを残した。

 ☆野球とは、人生そのもの 01年9月28日、都内のホテルで会見。巨人監督の勇退と、終身名誉監督就任が発表され、質疑応答で「私にとって野球とは、人生そのものだというひと言に尽きる」と語った。

 ☆勝つ!勝つ!勝つ! 94年「10・8」の直前に「俺たちは勝つ!いいか、もう1回言うぞ。俺たちは勝つ!勝つ!」。07年2月16日の 宮崎キャンプ視察、同3月7日の燦燦(さんさん)会の席でも「勝つ!勝つ!勝つ!」と高らかに叫んだ。

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