浪人ノリ救った元球団社長 獲得反対の声押し切り「ダメなら引導渡す覚悟」

[ 2013年5月2日 07:02 ]

横浜入団が決まり、加地球団社長(左)と会見する中村紀(2011年5月24日)

セ・リーグ DeNA5-4ヤクルト

(5月1日 横浜)
 DeNAの中村が日米通算2000安打を達成した。現球団顧問の加地隆雄氏(72)は中村が入団した当時の球団社長だった。中村も「加地さんのお陰で今の僕がいる」と感謝の念を口にしてやまない恩師は、「彼はとにかく野球にひたむき。野球人生がドラマチックだよね」と大記録達成に声を弾ませた。

 同氏が中村を知る友人から「彼がまだ野球をやりたがっている」と聞かされ、初対面したのは楽天から戦力外通告を受けた10年の12月。「真剣なまなざしで悟りを開いたような表情だった。でも、その時は獲ろうとか頭になかった」。

 翌11年シーズンのチームは最下位に低迷。右の長距離砲は村田(現巨人)だけというチーム事情もあり、緊急補強を決断したのは同5月22日。「野球をやりたいか?おまえは凄い選手なんだ。(チームの)和を乱すなよ」と、中村に直接電話した。受話器越しの返答は「育成でもいいです。必ず恩返しします」。一部フロントから獲得に反対の声もあったが、中村のその言葉を信じた。

 あれから3年。「ダメだったらすぐ引導を渡す覚悟だった。他の選手より厳しい目で僕は見ていた。でも、彼は本当に頑張っている。凄いよ」。路頭をさまよった男の底力に感嘆していた。

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