寺原 涙のソフト復帰1勝「息子のために頑張った」

[ 2013年5月2日 06:00 ]

<ソ・西>好投を続ける寺原は松田(右)から声をかけられ笑顔

パ・リーグ ソフトバンク3-1西武

(5月1日 ヤフオクD)
 ソフトバンクの寺原隼人投手(29)が1日、涙の移籍初勝利を挙げた。首位の西武を相手に8回4安打1失点の好投。ソフトバンクでは06年7月16日の日本ハム戦(当時ヤフードーム)以来7年ぶりの白星を手にした。お立ち台では目に涙を浮かべ、FA移籍で生活環境が一変した家族、特に小学2年生の長男への感謝の気持ちを口にした。チームは今季2度目の3連勝。勝率を5割に戻した。

 潤んだ目でマイクを持った寺原は、大きく息を吸い込み、お立ち台から声を張った。

 「皆さん、こんばんは。帰ってきました。ただいま。チームのため、ファンのため、家族のため、特に息子のために頑張りました」

 ソフトバンクでは06年7月16日の日本ハム戦以来2481日ぶりの白星。特別な思いがあった。

「前回はふがいない投球だった。きょうは超、全力でいきました。最高の試合ができました」。移籍後初先発となった4月24日の日本ハム戦(ヤフオクドーム)は昨季、覚えたツーシームでゴロを打たせようとするあまりに、ストライクゾーンへボールを置きにいった末、3回1/3を投げ5失点KO。だからこの夜は新球を完全封印し、右腕を振ることだけを考えた。最速は150キロ。7回まで打者22人中20人に初球ストライクを投げ込むなど真っ向勝負を挑んだ。

 3月15日のロッテとのオープン戦(QVCマリン)で背中を痛めたため、開幕は2軍スタート。1軍初登板では地元ファンから「横浜へ帰れ」と06年にトレード放出された球団に戻れとやじが飛んだ。「それ以上に応援してくれるし、やじは大丈夫だった」と寺原。一番、心を痛めたのは自らの都合で転校させた小学2年の長男のことだった。初登板でKOされ、やっとなじみ始めた学校で友達から「ダメだったね」と言われた。言葉に悪意はなかったものの「悔しかったみたい。おやじがしっかりしないといけないと思った」。7歳の息子に心配をかけたおわびの白星でもあった。

 「てげ(とても)素晴らしかった」と秋山監督は寺原の故郷・宮崎の方言交じりで快投を称えた。チームは今季2度目の3連勝で借金完済。7年ぶりに帰ってきた男が、チームに流れをもたらした。「家に持って帰ります」。バックにウイニングボールをしのばせた寺原は試合後、3歳の長女が発熱したため、球場観戦がかなわなかった長男のもとへ車を走らせた。

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