阿部ノミクス 連敗止めた景気回復弾!4月“終値”貯金10

[ 2013年5月1日 06:00 ]

<中・巨>初回、左越えに先制2ランを放つ巨人・阿部

セ・リーグ 巨人3-0中日

(4月30日 ナゴヤD)
 これが巨人版「アベノミクス」だ。巨人・阿部慎之助捕手(34)が30日の中日戦で初回に7号2ランを放ち、チームは連敗を4でストップ。巨人株はゴールデンウイークに入ってから4連敗と急落したが、4番の積極的な打撃で低迷期を脱却した。

 (1)大胆な攻撃策(2)機動的な走塁(3)長野の成長戦略の「3本の矢」が機能し、再び貯金10に回復。阿部主将が強い巨人を引っ張り、反転攻勢に出る。

 右肩上がりのような軌道で、打球は左翼フェンスを越えた。チームを勢いづかせた阿部の先制7号2ラン。初回の主将の一発が、4連敗からの脱却とチーム浮揚の号砲になった。

 「シュートを芯でとらえてうまく押し込むことができた。きょうの試合は先制していい勢いをつけたいと思っていた」

 (1)大胆な攻撃策 まさに所信表明のような、主将の「大胆な攻撃策」だった。初回2死一塁、カウント3ボールから4球目の直球をファウルした。チームを勢いづかせるための積極策で、続く138キロの外角高めのシュートを、逆方向へ飛ばした。

 「あっち向いてホイだったね」と阿部は言ったが「あの回はみんな(ボールが)外だった。低めを打たされないようにして高いのが来たら狙っていこうと思った」と、戦略的アプローチの達成がチームの雰囲気緩和をもたらした。

 (2)機動的な走塁 主将の一発という起爆剤に、「機動的な走塁」が勢いをもたらした。4回1死二塁から、長野の中前打で二塁走者のロペスが本塁突入。本塁突入を無理する場面ではなかったが、失敗の補正が生きた。ロペスは初回2死二塁で、長野の右前打で本塁憤死。「今度は長野のためにホームまで還ってこられたよ」と好スタートの機動性を発揮し、貴重な3点目につなげた。

 (3)長野成長戦略 原監督の推進する「成長戦略」も実った。打撃不振で29日から6番に下がった長野が、4回の適時打など3安打。長野は「いいピッチャーなので最初から狙っていこうと思った。得点圏打率が全然、低いので」と24日のDeNA戦(京セラドーム)以来6試合ぶりの打点にホッとした様子。原監督も「少し打順が変わったことで火がついたというか、勝負強さが出てきつつありますね」と「途上」と評するチームの成長率アップに手応えを口にした。

 巨人の攻撃版「3本の矢」がガッチリ機能し、ナゴヤドームで無敵を誇った中日・吉見の同球場連勝も15で止めた。72年ぶりの開幕7連勝など23試合で貯金13をつくった快進撃バブルが崩壊し、敵地での今季初の4連敗という低迷からも脱出。ゴールデンウイークに入り始まった巨人株低迷から反転、貯金の終値は10に回復した。杉内もチーム初完封と投打の個別指標の上昇気配に、原監督は「しっかりと正々堂々と戦っていい勝ち方だった」。苦しんだチームがV字回復の景気動向を示した。

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2013年5月1日のニュース