武田勝 お待たせ1勝 開幕戦で故障「やっと開幕した感じ」

[ 2013年4月29日 06:00 ]

<日・オ>お立ち台で小学生のインタビューに答える日本ハムの武田勝(中央)。右は中田

パ・リーグ 日本ハム4―3オリックス

(4月28日 札幌D)
 最後はヒヤヒヤだった。1点リードの9回2死二塁、日本ハムの守護神・武田久が坂口の中前に抜けそうなゴロに飛びつき試合を締めると、武田勝からやっと笑みがこぼれた。

 ただ、まだ仕事は残っていた。ゴールデンウイークのイベントの一環として、小学生の川原祐真くん(11)がヒーローインタビューを担当。最後に「ひと言お願いします」とマイクを渡された。

 むちゃぶりに「丸投げ?」と苦笑いの左腕だが「武田です、お久しぶりです。今後は今までの分もチームに貢献できるよう頑張ります」と声を張り上げた。エースの帰りを待っていた今季最多の3万6848人の観衆からは大歓声が上がった。

 8年目で初めて開幕投手を担った3月29日の西武戦(西武ドーム)で左ふくらはぎの筋挫傷を負い離脱。約1カ月ぶりのマウンドは「攻める気持ちが出せた」と序盤から直球で押した。球速は130キロ台前半でも正確な制球と切れで打者を差し込み、2巡目以降は変化球が生きた。6回をわずか60球で1安打無失点。栗山監督は「これだけ離れていてもあの投球。あらためてエースとはという姿を教えてもらった」と絶賛した。

 自身が離脱する間、チームは低迷。2月の名護キャンプでも左ふくらはぎの痛みを訴えていた武田勝は、開幕戦で負傷した時も「そんなに重くない」と考えていた。しかし、画像検査では出血の線がくっきりと映っていたという。リハビリ中は1軍の試合をチェックし「僕が開幕戦で流れを崩してしまった」と責任を感じていた。だからこそ復帰登板で負けるわけにはいかなかった。

 チームは今季最多の4連勝。「僕自身もオープン戦から勝てていなかったから、やっと開幕した感じですね」と武田勝は言った。エースの復活とともに昨季のリーグ王者が開幕2戦目以来の3位に浮上した。

 ▼日本ハム・黒木投手コーチ 打者の打ち気をそらす、らしい投球。自分の投げたいところにしっかり制球できていた。

 ▼日本ハム・鶴岡 直球が良く、その分変化球は勝さんならもっといけるかなというのはある。ただ変化球を投げることが一番たけている投手なので、そこは絶対に修正できると思う。

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