ベンチ入り25選手の年俸総額が、Aロッド1人に及ばないアストロズ

[ 2013年4月28日 09:05 ]

 野球メディアがこぞってア・リーグ西地区最下位と予想し、「この半世紀で初の3年連続106敗以上を達成か」と好奇の目を向けるのがアストロズだ。低評価の理由は十分あった。

 経営難のアストロズが売却され新オーナーが決まったのが2011年6月。ところが、オーナー会議はこの買収を認めなかった。新オーナーの経営する運送会社に雇用差別や収賄歴があったからだ。ようやくOKとなったのが昨季開幕時。ほぼ2年間揺らいだ経営体制で補強は遅れ、その結果が年間106敗、107敗だった。主力選手は離散し、下がり続けた年俸総額も今季は両リーグ最下位30位。若手ばかりのベンチ入り25選手の総額は今季の選手最高年俸のヤンキース・ロドリゲス1人の年俸2900万ドル(約28億7100万円)に及ばなかった。

 加えて、今季はナ・リーグからア・リーグに移籍。ナ・リーグの1球団を動かして両リーグを15球団でそろえると全球団が合意しても、移籍を打診されたアストロズは強豪ぞろいで不利になるため渋ってしまう。新オーナー承認の条件がア軍のリーグ変更受け入れだったらしい。

 バド・セリグ・コミッショナーは「アストロズは心配ない」と言う。成績逆順指名のドラフトのおかげで上位指名が続きファームに有望選手を蓄えた。「将来、期待できる」と言うのだ。コミッショナーに未来を保証されてもファンはむなしい。大リーグ1年生監督のボー・ポーター監督は「試合の勝敗はグラウンドで決まる。年俸額は関係ない」とけなげだが、早くも最下位争い。「100敗はするな」とでも声援するしかなさそうだ。

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2013年4月28日のニュース