黒田 メジャー60勝の技 得意球シンカー被弾も「だましだまし」

[ 2013年4月27日 06:00 ]

<ヤンキース・ブルージェイズ>4回、イズタリスの一ゴロでカバーに入るヤンキース・黒田

ア・リーグ ヤンキース5―3ブルージェイズ

(4月25日 ニューヨーク)
 ヤンキースの黒田が粘りの投球で今季3勝目、メジャー通算60勝目を挙げた。

 初回に91マイル(約146キロ)の内角シンカーをエンカーナシオンに2点本塁打。「軸にしているボールが詰まっても本塁打になってしまった。苦しい投球になるなと思った」。シンカーは見せ球にしか使えなくなり、2回にも一発を浴び序盤で3点を失った。それでも踏みとどまれるのが黒田の強み。軸になる球種がない状況にも「だまし、だまし。もう自分の経験しかない」とめげなかった。スライダーやスプリットなど、さまざまな球種をちりばめ3回以降は無安打。逆転を呼び込んだ。

 川崎との対戦では意地も見せた。右翼線二塁打を許したものの、対戦した3打席で投じた12球は全てがシンカー。「いい打撃。打たれた方が言える立場じゃない」と多くを語らなかったが、先輩メジャーリーガーとしてのプライドを押し通した。ジョー・ジラルディ監督は、苦境で自ら活路を開いたベテラン右腕を「今年最高の投球だった」と称えた。

 ≪4月最多は石井(ド)の5勝≫黒田が今季3勝目を挙げて、ここまで4月の日本人投手は計12勝。内訳はレンジャーズのダルビッシュが4勝、黒田が3勝、マリナーズの岩隈とレッドソックスの田沢が2勝、カブスの藤川が1勝となっている。年度別で見ると4月の日本人投手月間最多勝利は02年の16勝。選手別ではドジャースの石井(現西武)が5勝でトップとなっている。

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