江村 プロ初勝利も涙目 前田智は骨折「マジっスか どうしたらいいっスか」

[ 2013年4月24日 06:00 ]

<ヤ・広>ヤクルト・江村(左端)が前田智に与えた死球を巡り、乱闘する広島・古沢コーチ(左から2人目)、ヤクルト・荒木コーチら両軍

セ・リーグ ヤクルト3-1広島

(4月23日 神宮)
 素直に喜べないプロ初勝利だった。試合後のクラブハウス。広島・前田智の骨折を伝え聞いたヤクルト・江村は「マジっスか。どうしたらいいっスか」と絶句した。

 同点の8回2死一、二塁で登板。広島県出身の新人左腕にとって、打席の代打・前田智は「外角一辺倒では打たれる。小さい頃から見てきた凄い打者」だ。2球目シュートでのけぞらせ、6球目の内角直球で勝負。だが左手首を直撃した。

 前田智が詰め寄ろうとすると、両軍入り乱れて乱闘に発展。古沢コーチは荒木コーチの胸につかみかかった。「やばいと思った。頭は真っ白。固まってました」。完全な涙目だった。

 古沢コーチは退場処分。警告試合が宣告される異様なムードの中、試合は再開。江村は「ビビって投げるのだけはやめようと、思い切り腕を振った」とルイスを141キロ直球で空振り三振に仕留めて絶叫した。直後にチームが勝ち越し。「自分は150キロを投げられるわけじゃない。今後も攻めるところは攻める」。チームの連敗を5で止めた25歳は、プロ初勝利とともに自信と信頼も得たが、後味の悪さも残った。

 ▼ヤクルト・山本哲(9回を3人で抑えプロ初セーブ)セーブはうれしいけど、どうしても勝たないといけない試合だったしチームの勝利の方がうれしい。

 ▼ヤクルト・バレンティン(乱闘後の8回に決勝2点二塁打)死球は野球の一部。投手が頑張っていたし、何とかしなければと思っていた。

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