DeNA高城 人生初サヨナラ!“師匠”谷繁が火をつけた?

[ 2013年4月22日 06:00 ]

<D・中>延長12回2死満塁、サヨナラ打のDeNA・高城(中)はナインの手荒い祝福を受ける

セ・リーグ DeNA4-3中日

(4月21日 横浜)
 ブランコからユニホームを脱がされそうになった。そんな手荒い祝福も心地よい。同点の延長12回1死二塁、DeNA・高城は迷うことなく初球を振り抜くと、左翼線を抜けた。

 「打った球は全然覚えていない。打撃で迷惑ばかり掛けていたので自分で決めようと思った。(野球人生でサヨナラ打を)打った記憶がないので凄くうれしい」

 4時間54分の激闘に、伏兵が決着をつけた。高卒1年目の昨季から1軍出場。高城の野球人生は順風満帆に見えるが、正捕手の期待がかかった今季は人知れず苦しんでいた。この試合まで打率・143だった。

 「僕のリードで投手が打たれて迷惑ばかり掛けている。打席でも守備のことばかり考えてしまう」。16日の広島戦(マツダ)では同点の9回から途中出場し膝が震えた。「試合に出るのが怖かった」。体重は86キロから81キロまで減った。理由は激しい練習だけではない。「(試合後)寮に帰ってもあのリードで良かったかなとずっと考える」と自問自答を繰り返した。

 そんな中で生まれた劇打だった。相手のマスクは谷繁がかぶっていた。高城にとって昨オフ、志願して自主トレに同行させてもらった師匠でもある。「(試合前に谷繁から)“もうちょっと打てよ”と言われたので最後に打てて良かった」と遠慮がちに笑った。

 中日3連戦に全勝し、今季初の3連勝。20試合を消化して勝率5割は07年以来6年ぶりの快挙だ。中畑監督は「チームに勢いがつく勝ち方。まだ夢見心地だね。ただ、5割はスタートライン。貯金できるチームになりたい」と力を込めた。高城にも指揮官の思いは伝わっている。「もっと勝てるようにチームに貢献したい」。福岡の実家に送るウイニングボールを右手で強く握り締めていた。

 ≪球団最年少記録≫19歳11カ月の高城(D)がプロ入り初のサヨナラ安打。チームでは12年8月25日巨人戦でマークした筒香の20歳8カ月を抜き、サヨナラ安打の球団最年少記録となった。他球団も含めた10代打者のサヨナラ安打は、94年5月31日に松井(巨=19歳11カ月)が中日戦でサヨナラ本塁打して以来19年ぶり。

続きを表示

2013年4月22日のニュース