藤浪 セ初4月2勝!黄金ルーキーのおかげや和田政権初4連勝

[ 2013年4月22日 06:00 ]

<神・ヤ>7回無失点で2勝目を挙げた阪神・藤浪はナインと歓喜のタッチ

セ・リーグ 阪神5-0ヤクルト

(4月21日 甲子園)
 阪神の藤浪晋太郎投手(19)が21日のヤクルト戦に先発し、7回2安打無失点の快投で今季2勝目をマークした。ドラフト制以降、高卒新人が4月中に2勝を挙げるのは史上3人目で、セ・リーグでは初の快挙。春夏連覇を達成した大阪桐蔭時代から続く甲子園での連勝は11に伸びた。チームは今季初の同一カード3連勝で、和田政権では初の4連勝。黄金ルーキーが猛虎の勢いをさらに加速させた。

 2週連続でサンデー甲子園のお立ち台には藤浪がいた。いつもと変わらない飄々(ひょうひょう)とした立ち居振る舞い。7回を83球で2安打無失点に抑えた右腕は「完投しろと言われればできました」と涼しい顔で言ってのけた。満員の観衆が再び沸き返った。

 投球も19歳とは思えない技術が凝縮されていた。序盤3回までは毎回三振を奪ったが、「無理に三振を狙わず力を抜いていこうと思った」と、4回以降は打たせて取る投球にシフトした。さらに試合中にある「変化」にも気付いた。微妙なリリースポイントのズレからボールが無意識に動いたという。「動いてるなら動いているなりに、それを使ってしっかり投げられた」と勝負どころでは「動く直球」で攻めた。

 プロでは未知のイニングに突入した7回。1死二塁でバレンティンに対し「一発があるので甘く入らないように」と制球に注意を払うとともに球速を上げ、4連続直球で三ゴロに。続く畠山も、最後は内角高めにシュート気味に動いた直球で空振り三振に仕留めた。

 この日も得点圏では打者5人を無安打に封じた。今季通算では18打数1安打となり、得点圏被打率は驚異の・056。「ピンチは集中力が増す」と言う右腕に、和田監督は「ペースを覚えてきた。どこまで成長するか楽しみ」と目を細めた。

 7回にも149キロを記録するなど余力を残しての降板。本人が「完投できた」というように、初完封も十分狙えたが、中西投手コーチは「先のある投手だから。4月に(完投を)達成されてもね」とおどけながら新人の好投を称えた。防御率は0・86。高卒新人の4月中の2勝は66年の森安(東映)、99年の松坂(当時西武)以来3人目で、セ・リーグでは初。甲子園では高校時代から負けなしの11連勝となった。

 開幕3戦目(3月31日)の初先発で敗れたヤクルト相手に見事なリベンジ。お立ち台では、プロ初勝利を挙げた時と同じフレーズも出た。

 「次の試合もしっかりゲームをつくって必死のパッチで頑張りたい」

 聖地からあふれ出しそうな声援が再び背番号19に注がれた。

 ▼阪神・中西投手コーチ (球が)切れていたね。結構甘めにいっても後ろにファウルになっていた。(7回の交代は)先のある投手だから。4月に(完投、完封を)達成されてもね。8回は(続投か)迷いがあったけど、9回に代えるなら8回でということでした。

 ≪4月3勝なら史上初≫藤浪が今季2勝目。ドラフト制(66年)以降、高卒新人投手が4月中に2勝以上を挙げるのは66年森安(東映)、99年松坂(西)の各2勝に続く3人目で、セ・リーグでは初めて。藤浪は森安、松坂のように完封、完投こそないが、目下13イニング連続無失点で防御率は2人の4月中を上回る0・86。ローテーション通りなら次回登板は28日のDeNA戦(横浜)。史上初の4月中3勝目を狙う。

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