福留 サヨナラ満弾!2発6ラン「実はきょう、娘の誕生日なんです」

[ 2013年4月20日 06:00 ]

<神・ヤ>延長12回2死満塁、阪神・福留はサヨナラ満塁弾を放ち喜ぶ

セ・リーグ 阪神7-3ヤクルト

(4月19日 甲子園)
 阪神・福留は走りながら、打球の行方を見守った。そして祈った。「切れるなっ!」。延長12回2死満塁。七條の141キロ直球を思い切り叩いた。無心だった。左翼ポールを直撃。あまりにも劇的なサヨナラ満塁弾に、背番号8は思い切り両手を天に突き上げた。

 「ちょ、ちょっと興奮してますね。ガッツポーズはもう無意識です」

 お立ち台での声も思わず震える。大リーグから日本球界に復帰し、自ら選んだ縦ジマのユニホーム。そして大甲子園。しかし福留は不調だった。試合前までの打率は規定打席到達者で最低の・138。それでも35歳ベテランの勝負強さは健在だった。7回1死三塁。3ボールから、ロマンの甘い144キロ直球を捉えた。バックスクリーンへの2号同点2ランは、本拠地初アーチ。そしてサヨナラ満塁弾と、2発6打点の大暴れだった。

 「このユニホームを着て甲子園でホームランが打てた。それが凄くうれしい」。この日も遠征先の東京から戻ると、約30分の早出特打。関川打撃コーチにはiPadで打撃フォームを撮影してもらい、修正点をチェックした。「朝から裏方さんにも練習に付き合ってもらって…。みんな一つになって、いろいろなことをやってくれる。一緒に喜んでもらえれば」。虎の一員。だからこそうれしい劇弾だった。

 「いつもの(右翼から左翼方向への)浜風なら、間違いなく切れていた。きょうは逆風、センター方向への風。紙一重でポールに当たった」。チームは貯金1となり、和田監督も興奮を隠せない。福留は上気した顔のままで、最後に照れながら言った。「実はきょう、娘の誕生日なんです」。熱狂的なファンへ、そして2歳になった長女・桜楓(はるか)ちゃんへ、最高の贈り物となった。

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2013年4月20日のニュース