村田2発に阿部&ボウ弾!伝説3連発の日にお返し4発

[ 2013年4月18日 06:00 ]

<巨・神>2回1死、村田は左越えソロ

セ・リーグ 巨人8-1阪神

(4月17日 東京D)
 巨人は17日、村田修一内野手(32)の2本塁打に加え、阿部慎之助捕手(34)、ジョン・ボウカー外野手(29)も本塁打を放ち、今季最多の1試合4本塁打。5連勝で貯金を10とし、東京ドームでの連勝も10に伸ばした。4月17日の阪神戦といえば、85年に甲子園で槙原がバース、掛布、岡田にバックスクリーン3連発を浴びた因縁の日。その同じ日に当時を上回る一発攻勢で、28年前の借りを返した。

 甲子園ではなく東京ドーム。バックスクリーンではなく右翼。打球を見上げたのはクロマティではなく福留だった。4回に村田が2打席連発の右越え4号ソロ。強烈な打球が右翼席に消えたシーンは、28年前にも引けを取らない興奮があった。

 「1本目が早い打席に出ることがなかったので、1打席目に出て2本目も出るかなという予感は多少ありましたね。しっかり捉えることができました」

 まずは2回に先制の3号ソロ。2ボールから真ん中高めの144キロの直球を強振した。「ランナーもいなかったですし、ストレート系が来たら思い切って振り上げようと思った」と打球の角度を意識し左翼席最前列に運んだ。2本目も初球の外角高め144キロの直球を右方向へ。「(ゾーンの)高さを上げながら、速い球に合わせてという感じで待っていた」。打球にスピンを利かせるために、バットのヘッドを立ててかぶせるように打ち返し移籍後初の1試合2発を放った。プロ最低の12本塁打だった昨年から今季は本塁打増産を意識。キャンプから98センチ、1・3キロの長尺バットでの打撃練習を継続中だ。バットが長いと、よりヘッドを落とさずにスイングする意識が向上。ノックバットで外野フライを打つ感覚に近いスイングとなり、打球に角度がつく。

 高めの球に角度をつければ、甲子園では届かなくても本拠地ではフェンスを越える。3回に右越え3号ソロした阿部も「ヘッドを立てて打ち返すことができた。全然、打てていなかった投手なので」と村田と同様、ボール気味の高めの直球を右翼席上段に運んだ。スタンリッジからは10年に3安打して以来23打席ぶりの安打が、初本塁打で初打点となった。まさに本拠地仕様の打撃で10日の阪神戦(甲子園)で7回零封されたスタンリッジを攻略。これで阿部が東京ドームで本塁打した試合は33連勝となった。

 85年の伝説のバックスクリーン3連発以来28年ぶりに巡ってきた4月17日の伝統の一戦。3連発とは違う迫力の4発で宿敵を圧倒した。28年前の試合で本塁打を放っている原監督は、前日から7番に下がった村田の2発を称えた。「今の打順になってどう思っているか。きのうからスイングが鋭くなったというか彼の中に火を付けたと思います」と選手起用の妙に手応えを口にした。

 阪神がバックスクリーンに3連発を放った85年は、村田はまだ4歳だった。「映像で見たことはあります。掛布さん、バース、岡田さん?すげぇなと思いました」と笑った。村田がバットで28年前の因縁を断ち切った。

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