打球直撃も志願の続投 杉内今季初白星でG貯金10

[ 2013年4月18日 06:00 ]

<巨・神>4回表無死、マートンの打球を左足に受けて手当てを受ける杉内

セ・リーグ 巨人8-1阪神

(4月17日 東京D)
 男の意地だった。4回。先頭・マートンの打球が、巨人・杉内の左足首付近を直撃。患部は腫れ上がり、痛みもあった。マウンドに駆け寄った川口投手総合コーチもベンチ裏での治療を勧めたが「大丈夫です」と繰り返した。そこには理由があった。

 「きょうこれで落としたら、一生、勝てないと思った。ベンチに下がるのも(気持ちが下がるので)嫌だった。マウンドを守りたかった」

 そしてギアを上げた。無死一塁で新井を124キロスライダーで遊飛。続く福留、コンラッドは直球でねじ伏せた。フォームや球種、コースは二の次。とにかく力いっぱい腕を振った。相手だけでなく自軍ベンチにも軽傷を強調する熱投だった。

 「あれで火がついた。投手の本能でしょう」と川口投手総合コーチ。中盤以降は1週間前の10日の阪神戦(甲子園)で7回無失点に抑えた投球を参考に「困ったら外スラ(外角スライダー)」。6回は2番・大和から8球すべてスライダーで三者凡退に斬り、8回6安打1失点にまとめた。

 昨年10月に2年連続で左肩違和感を発症。ポストシーズンでの登板はなかった。WBCでは背番号18を背負いながら3試合、計3回2/3を1失点。エースの活躍にはほど遠く「みんなに申し訳ない」と帰国後、眠れぬ夜もあった。現在は「肩の状態はどうかな」と不安から始まる一日は解消され、コンディションは徐々に良くなっている。

 開幕ローテーションの6投手のうち、ただ1人だけ未勝利だった。背番号18の復調。絶好調のチームにまた一つ、追い風が吹いた。

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