運あった海田プロ初勝利 1―1直後にデホ弾

[ 2013年4月18日 06:00 ]

<西・オ>プロ初勝利をあげ、ウィニングボールを手に森脇監督(左)に祝福される海田

パ・リーグ オリックス2-1西武

(4月17日 西武D)
 勝利の女神は2年目左腕・海田を見捨ててはいなかった。毎回走者を背負いながらも粘った。1―0で、勝利投手の権利が懸かった5回1死二、三塁もしのいだ。しかし、6回2死から浅村に痛恨の同点ソロを被弾。この回で降板は決まっていた。「こうなれば、応援だ~と思っていた」直後に、7回先頭・李大浩の決勝弾が飛び出した。

 「長かった。この1勝のために頑張ってきた」。25歳のイケメン左腕は、ベンチでは全員と握手した。入団1年目の昨季は31試合で0勝4敗。終盤に先発に転向したが、勝ち星には届かなかった。前回10日のソフトバンク戦(北九州)も7回を2安打2失点と好投しながら勝敗つかず。「運がないのかな」と考えたこともあったが、今季3試合目の登板でプロ初勝利が転がり込んだ。

 直球は140キロに満たない。1月にはソフトバンクの摂津、寺原らの自主トレに参加し、技術を学んだ。特に磨いたのがカーブ。先発で投げるための球種だった。変化球を低めに集め「左打者が打ちづらそうだった」と言う内角攻めも際立った。

 「育ててくれた両親に贈りたい」。ウイニングボールを手にした海田の目には光るものがあった。八木、井川が出遅れた先発陣では唯一の左腕。森脇監督も「勝ちが付いたことでいい反省ができる」と収穫を強調した。負ければ貯金のなくなる土俵際でチームを救った左腕が、オリックス躍進のキーマンになる。

 ◆海田 智行(かいだ・ともゆき)1987年(昭62)9月2日、広島県生まれの25歳。賀茂高から駒大に進み、2年時には日米大学野球の日本代表に選出。日本生命を経て11年ドラフト4位でオリックス入団。昨季は31試合で0勝4敗、防御率3・04。1メートル79、80キロ。左投げ左打ち。

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2013年4月18日のニュース