西武「各停打線」 単打、四球、犠飛…つないで大量点

[ 2013年4月15日 06:00 ]

<楽・西>4回無死一、二塁から中前に先制タイムリーを放つ西武・スピリー

パ・リーグ 西武4―2楽天

(4月14日 Kスタ宮城)
 一発はないが、しぶとさがある。西武の「各停打線」が威力を発揮したのは4回だ。先頭・秋山の左前打を突破口に、栗山が四球でつなぐと、スピリーは中前へ先制適時打。「僕は4番だけど、本塁打を毎回狙うわけじゃないし、西武はどこからでも点が取れる」。外国人選手でもセンター返しを心掛ける。

 さらにヘルマンが中越え適時二塁打で続くと、浅村が右犠飛。一挙4点を奪ったこの回はアウトになった打球も含めて、全て中堅から逆方向だ。今季、チーム全体で127安打しているが、全体の58%に当たる74本が中堅か逆方向。この試合も8安打中、7本がそうだった。3月30日日本ハム戦(西武ドーム)では相手先発・ウルフの足に3度も打球を当てたほど、意識は浸透している。

 今季のチーム5本塁打はリーグ最少タイ。昨季までの不動の3番・中島がメジャーに移籍し、2年連続本塁打王の中村は左膝手術の影響で復帰は早くても後半戦とみられている。そんな長距離砲不在の危機を「つなぐ意識」でカバーしている。四死球はリーグトップの60。足でも揺さぶり、この日も7回には栗山が2死二塁から三盗を決めた。チーム13盗塁もリーグ最多で、昨季15試合終了時点での7を大きく上回る。

 リーグ10勝一番乗りは、日本一を果たした08年以来5年ぶり。渡辺監督も「思った以上に勝ちが取れた。打線はつなぎの意識、先発はゲームをつくる意識を持ってやってくれている」と手応えを語る。開幕前は「豆鉄砲打線」ともやゆされたが、そんな声を吹き飛ばす快進撃だ。

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