ドラ3・鍵谷 ハム北海道移転10年目の「道産子1勝」

[ 2013年4月15日 06:00 ]

<オ・日>プロ初勝利を挙げた日本ハム・鍵谷がウイニングボールにかじりつく

パ・リーグ 日本ハム7―6オリックス

(ほっと神戸)
 連敗ストップの流れを引き寄せた鍵谷に最高のご褒美が待っていた。逆転勝ちで転がり込んできたプロ1勝。右腕は、ウイニングボールを大事そうにウインドブレーカーのポケットにしまった。

 「思ったより早く1勝できた。チームが苦しい中、いいピッチングで勝利に貢献できて良かった」。

 1点ビハインドの6回から3番手で登板。持ち味の直球でグイグイ押した。3回に満塁弾を放ったバルディリスにも全球直球で右飛に。続く後藤、T―岡田も直球勝負で封じ込めた。ホフパワーの同点ソロが飛び出し、プロ初の2イニング目に突入した7回はさらにギアを上げた。最速146キロの直球勝負で2三振を奪うなど3者凡退。8回に打線が3点を奪って勝ち越し、チーム最多タイの7試合目の登板となった新人右腕は大きなプレゼントをもらった。

 今季は球団の北海道移転10年目。その節目のシーズンに七飯(ななえ)町出身の鍵谷が、北海道生まれでは初の勝利投手となった。グラブは北海道のシンボルでもあるラベンダーを意識して、球界では珍しい紫色を使っている。「道産子1勝目」を挙げた右腕は「チャンスは自分にしかなかったし達成できてうれしい。これからも積み重ねていきたい」と記念の白星の重みを口にした。

 この日、2軍キャンプから行動を共にしてきた大谷が、負傷で出場選手登録を抹消された。私生活では地理に詳しい札幌を案内するなど兄貴分として接してきた。先に1勝を手にした鍵谷は「翔平が帰ってくるまで自分もしっかり頑張りたい」と力を込めた。敵地でのヒーローインタビューでは「カギヤヨウスケ投手です」と紹介された鍵谷陽平。小気味よい投球が、借金生活に苦しむチームの明るい光となっている。

 ▼日本ハム・栗山監督(プロ初勝利の鍵谷について)ボールがいい。今までいいステップを踏んできて、いい勝ちを付けてあげられて良かった。

 ◆鍵谷 陽平(かぎや・ようへい)1990年(平2)9月23日、北海道生まれの22歳。七飯中では軟式野球部で投手と内野手を兼任。北海では1年夏からベンチ入りし、3年の08年夏に甲子園出場も1回戦で東邦に敗れた。中大では東都リーグ通算9勝11敗。昨年ドラフト3位で日本ハム入り。1メートル77、80キロ。右投げ右 打ち。

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