「ムチ打ちですね」福留　同郷の後輩救ったスーパーキャッチ

＜神・巨＞５回無死、ロペスの飛球をダイビングキャッチする福留

セ・リーグ 阪神３－０巨人

（4月11日 甲子園）
　割れんばかりの歓声が心地よかった。ファインプレーにダメ押し打と攻守に活躍した阪神の福留が、初めて甲子園のお立ち台に立った。

　「ムチ打ちですね。あす、起きられるか心配です。鹿児島の後輩が一生懸命投げていたので、捕れてよかったです」

　２―０の５回。先頭・ロペスの打球が右中間に飛んだ。鋭く反応すると抜群のタイミングでダイビング。芝生に叩きつけられ、帽子が吹っ飛ぶほどの衝撃を受けたが、つかんだボールは離さなかった。同じ鹿児島出身の先発・榎田を救う超美技だった。「右バッターの打球だし切れながら、というのは頭にあった。届かなければ止めにいかないといけないけど、届きそうだったから」。捕球後しばらく立ち上がれなかったが、西岡の手を借りて起き上がると、阪神ファンから惜しみない拍手が送られた。

　守備へのこだわりは、道具の扱い方に表れている。遠征時は、グラブをジュラルミンケースに保管して持ち運ぶ。「バットは湿度で重さが変わりやすいので使う選手はいますが、グラブはあまり聞いたことがありません」とミズノの担当者。メジャー時代、チームの荷物を運ぶ際の扱いが雑だったため、型崩れを防ぐためメーカーに発注。今でもそれを使い続けている。

　２点リードの８回２死一、二塁では右前にダメ押しの適時打も放った。今季から日本に復帰も打率は・１６３。この日も３打席目までは無安打だったが、打点はチームトップの８打点。ここぞの場面では、やはり頼りになる。「全く何もできていなかったので。上がっていくきっかけにしたい」。開幕から１１試合目。福留が虎党の心もガッチリとつかんだ。