2軍戦プロ初先発●…大谷 3つの課題「今のままじゃ駄目」

[ 2013年4月12日 06:00 ]

イースタン・ロッテ戦の1回無死二塁、高浜に四球を与えた大谷(左)は捕手・近藤から声をかけられる

イースタン 日本ハム1-6ロッテ

(4月11日 QVCマリン)
 日本ハムの二刀流ルーキー・大谷翔平投手(18)が11日、イースタン・リーグのロッテ戦で投手として先発デビューを果たしたが、4回を5安打3失点でプロ初黒星を喫した。最速152キロをマークしたが、直球は高めに浮き、けん制悪送球などもあって予定の80球よりも少ない69球で降板した。今後は2軍で経験を積みながら、5月の交流戦で1軍登板を目指していく。

 予定の「5回80球」をクリアできなかった。プロ初先発は4回69球、3失点で初黒星。右肩をアイシングしながら会見した大谷の自己評価は厳しかった。「(評価は)結構低いと思う。(1軍先発は)まだまだ。今のままじゃ駄目」。課題は大きく3つあった。

 課題(1)制球力 立ち上がりに直球が高く浮いてストライクとボールがはっきりした。「(初先発なので)抑え気味でいったが、逆に緩みすぎた」。上半身の開きが早くボールがシュート回転。2回、荻野貴の中前2点打は、外角を狙った直球がシュート回転して真ん中に入ったところを捉えられた。ロッテ・斉藤投手コーチも「もう少し細かい制球が必要。打者から見て怖さはない。勢いだけでは1軍は厳しい」と指摘した。

 課題(2)投球以外の技術 初回無死一塁からけん制悪送球。ピンチを広げ、無死一、二塁から投ゴロを処理した二塁送球も三塁方向へそれた。遊撃・森本の体勢が崩れて一塁悪送球となり、先制点を許した。3月21日楽天とのオープン戦(東京ドーム)でも一塁にけん制悪送球した。1軍で登板するには細かいプレーの向上も必要だ。

 課題(3)スタミナ 実戦最多の69球を投げたとはいえ、投げ込み不足は明らか。ブルペンでの最多投球は4日の101球。それ以外に80球を超えた日が一度もなく黒木投手コーチも「スーパーエースになってもらうには、ある程度の球数を投げないと」と話す。

 それでも大谷は3回以降はカーブを交え、横振りになっていたフォームを矯正。直球のシュート回転も減り、最速152キロを計測した。「自分の間でいけた後半はどんどん良くなった。立ち上がりからエンジンが早くかかるように工夫していきたい」。登板後は慌ただしく、1軍ナイターの楽天戦に備えて東京ドームへ移動。課題は残ったが、大谷には貴重な勉強の場となった。

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2013年4月12日のニュース