マエケン圧巻投球!WBCでスライダー“高速変化”

[ 2013年4月8日 06:00 ]

<広・神>前田健は7回無失点の好投を見せる

セ・リーグ 広島6―1阪神 

(4月7日 マツダ)
 全く危なげない投球だった。日曜日の本拠地に詰めかけた2万5873人の観客の前で、広島・前田健の笑顔がはじけた。

 「たくさんのお客さんの前で、今季初勝利できてよかったです」。気温は1月下旬並みの9度。さらに小雨が降る悪コンディションの中、7回2安打無失点と圧巻のパフォーマンスを披露した。

 4回に2死一、三塁とこの試合初めてのピンチを招いた。打者はPL学園の11年先輩で、降雨中止となった前日6日に「先輩に変化球を投げたら怒るゾ」と笑って「威嚇」してきた福留。1ストライクからの2球目、148キロ直球が甘く入ったが、平凡な左飛に仕留めた。結局、この日は3打席とも凡打に抑え初対決は完勝。「(福留には)変化球ばかりになってしまったけどね。でも、いろんな球種をコースに投げないと難しい」。

 今季初登板となった3月31日の巨人戦(東京ドーム)に向けて投球練習を行った際、スライダーが直球に近い軌道で急激に曲がった。「いつも通りに投げたらそうなった。WBCの後から直球がいい。その影響かもしれない」。2回に福留を一ゴロに抑えたスライダーは135キロで昨季より5キロ以上も速い。WBC球を経験したことによる進化は、望外な形で変化球にも表れた。「腕の振りとかがスライダーに影響しているのかも。意外にスピードが出ていい感じです」とうれしそうに話した。

 右肘内側に張りを訴えたため、大事を取って7回92球で降板したが、次回への影響はなさそう。「ボールも替わったからか、例年より早く腕が疲れる。でも、慣れていけば大丈夫」。国際舞台を経験し、進化したエースが低迷するチームを引っ張る。

 ▼広島・野村監督(前田健について) 開幕から安定した投球をしてくれている。ボクはもう1回と思っていたんだけど(山内)投手コーチが“腕に少し張りがある”と言ってきたのでね。

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