レンジャーズでお家騒動?ライアン氏めぐる球団人事の行く末は

[ 2013年4月7日 11:48 ]

 ノーラン・ライアン氏は投手としてもフロントとしても大成功の野球人だ。殿堂入りの奪三振王に加え、レンジャーズCEO(最高経営責任者)兼球団社長の在籍5年でチームを強豪に変身させた。その“生きた伝説”の周辺で騒ぎが起こった。

 3月1日、球団がライアン氏から「社長」の肩書を外すと発表した。後任社長には営業主席役員とジョン・ダニエルズGMの2人が昇格した。球界ではCEOより日々球団運営を担う社長に実務権限が集中する。社長外しはライアン氏のチームへの影響力を奪い、飾り物にするに等しい。「退団強要の人事か」とメディアは驚いた。

 ライアン氏はすぐ動いた。共同オーナーの2人の大株主に会い「建設的な話し合いをした」と声明文を出した。会談の内容は不明、球団は黙秘し、メディアが耳にしたのは新社長・ダニエルズGMの「私は今もノーランに日々の報告をしている。彼の残留を望む」とのコメントだけ。どうやら、今季のコーチ編成案をライアン氏に一蹴されたGMがオーナーに直訴して、この人事になったらしいのだ。ライアン氏の下でチームづくりを続けてきたGMが独自色を出したかったのだろう。

 ライアン氏は2年前、球団破産による競売で敏腕弁護士と組み出資者を集めチームを救った。ところが経営陣に加わった弁護士が選手契約に口を出すと即座に球団から追放し、その“剛腕”ぶりで球界をうならせた。こんな上司と争ってGMが勝てるはずはない。発表人事は宙に浮き、球団公式サイトの役員の肩書は今も発表前のまま。お家騒動どう落着するのか、興味津々。

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2013年4月7日のニュース