レ軍指揮官独白 ダル昨季以上を予感「サイ・ヤング賞受賞できる数字」

[ 2013年4月4日 07:22 ]

<アストロズ・レンジャース>9回2死から安打を許したダルビッシュ(11)に交代を告げるレンジャーズのワシントン監督(右)

ア・リーグ レンジャーズ7―0アストロズ

(4月2日 ヒューストン)
 【レンジャーズ・ワシントン監督独白】ユウはいきなり凄い仕事をやってくれた。完全試合を達成してほしかったが、仕方がない。きょうは「運命の日」ではなかっただけのこと。だから失望などしていない。あんな投球を見て、何でがっかりするんだ。彼は試合を支配していた。ただ、7回以降は安打か四球を出した時点で交代と考えていたよ。

 彼は今年、本当に自信を持ってプレーしている。これが本来の姿なのだろう。マウンド上で不安や迷いが見えない。昨年は制球難に陥って一時期自分を見失いかけたが、もう心配はいらない。

 成長を感じたのが3月23日のレッズ戦。MVP経験のあるボットにスローカーブを場外本塁打されたあの試合だ。注目したのは本塁打の次の対戦。初球に内角の厳しいコースに96マイル(約154キロ)直球を投げてボットをのけぞらせた。昨年だったら警戒を強めて慎重に攻めたはず。しかし思い切り内角を突いた。力勝負に出たことで「もう簡単には打たせない」というメッセージのように見えたし、マイク・マダックス投手コーチとも「リベンジ成功だな」とうなずいたのを覚えている。「やられたらやり返す」精神が頼もしい。

 昨季の1年間でユウの立場は変わった。昨年は誰もが彼の実力を疑っていた。しかし16勝して臨んだ今年のオープン戦は違う。他球団の打者は最初から追い込まれていた。早いうちに捉えなければやられる――。そんな心境だ。対戦前から優位に立つ。マリナーズのヘルナンデスやレイズのプライスら球界トップクラスの投手しかできないことだ。たった1年でその境地まで達してきている。

 まだ1試合だが、今年はさらに凄い活躍をするだろう。サイ・ヤング賞を受賞できるぐらいの数字だ。ユウはそれだけの資質と能力を兼ね備えた存在と確信している。(テキサス・レンジャーズ監督)

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2013年4月4日のニュース