安楽663球4戦オール完投 2発被弾も済美が王手

[ 2013年4月3日 06:00 ]

<済美・高知>決勝進出を決め、ナインとハイタッチをする安楽(右)

第85回センバツ高校野球準決勝 済美3-2高知

(4月2日 甲子園)
 済美・安楽は奮い立った。1点リードの9回。無死三塁で迎えた4番との勝負。高知・和田恋(れん)には前の打席で本塁打を浴びていた。「やばい、敬遠しましょうか…」。怪物とはいえ、まだ16歳。捕手・金子に申し出た。先輩の返事は「何言っとるんや。勝負や」―。強気の勝負を選択してからが、真骨頂だった。「ギアが入った。逃げずに内角を攻めていけた」。1ボール2ストライクからの4球目。内角への142キロの直球で二飛に打ち取ると、その後も直球勝負。最後は杉本を145キロで右飛に仕留めた。

 初回は土居、7回に和田恋に被弾。安楽は「人生で2、3本目です」と振り返ったように、疲労から決して本調子ではなかった。最速は146キロ止まり。試合前には「握力が落ちてきた」とも漏らしていた。

 常に思い出す言葉がある。「天狗(てんぐ)になれ」。父・晃一さん(51)から送られた言葉だ。「マウンドで一人だけ高い場所にいるのだから、天狗になりなさい。鼻を折られたら、また立ち上がればいい」―。だから、最後は強気に攻めた。

 前回04年は初出場初優勝。負けたことがない春の甲子園で、再び頂点に手が届くところに来た。済美の校歌には「“やればできる”は魔法の合いことば」というフレーズがある。「やればできるのかもしれない。それを信じて戦う」と上甲正典監督。その思いは安楽も同じだ。「ここまで来たら勝ちたい。ワクワクしています」。準決勝まで4試合を1人で投げ抜き、球数は計663球。疲れはピークだが、気力は充実している。今大会前に固く誓った目標は155キロを出すこと。甲子園のファンもそれを待っている。

 ▼安楽の母・ゆかりさん(スタンド観戦)ここまで頑張ってきたんだから、最後まで投げてほしい。若いですから。優勝を信じたいです。

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