西武激震!ライオンズ売却案 外資の筆頭株主が要求

[ 2013年3月27日 06:00 ]

昨季本拠最終戦後にあいさつする渡辺監督と西武ナイン

 西武球団オーナーで、親会社・西武ホールディングス(HD)の後藤高志社長(64)が26日、都内で会見を行い、同社の株式公開買い付け(TOB)を実施している筆頭株主の米投資ファンド、サーベラス・グループから、球団売却を提案されていることを明かした。西武HD側はこの日取締役会を開き、TOBに反対すると表明。後藤社長は球団売却についても反対し、継続保有していく意向を示した。今後の成り行きが注目される。

 会見した後藤社長によると、昨年10月12日付で西武HDに筆頭株主であるサーベラスからの文書が届いた。その中にリストラ策として、西武鉄道の不要路線の廃止などとともに、球団の「将来性・採算性な らびに戦略的位置づけをしっかりと精査。売却の選択肢」との提案があったという。その事実を初めて明かした後藤社長は「サーベラスは早期の再上場を希望していると理解していたが、最近は自社の利益を追求した不当な要求や上場に非協力的な態度をとっている」と指摘した。

 06年2月3日に西武HDが設立された際、サーベラスは約1000億円を出資。現在はグループ企業合わせて議決ベースで32・44%の株式を保有する筆頭株主となっている。グループ傘下によって、今月12日付で株式公開買い付け(TOB)を実施。最大4%を買い増し、36・44%として、株主総会の特別決議で拒否権を行使できる「持ち株比率3分の1以上」を目指している。西武HDの経営に対する関与を強めることが狙いである。

 10営業日内の回答を求められていた西武HDはこの日、取締役会を開催し「公開買い付けに反対」との意見表明を決議した。球団売却の提案についても「サーベラス・グループが当社の経営に対する影響力を強めることで、当社の中長期的な企業価値を毀(き)損する」と反対の意向を示した。その上で、後藤社長は会見で「(球団は)公共的な要素が非常に強い。ファンも非常に多い。より強化して今後も日本一を目指してやっていきたい」と力を込めた。球団の採算については11年度は黒字、12年度も「黒字を計上できる見込み」と強調。11年度は親会社からの約10億円の広告費を計上された上で、約1億円の利益が出ている。

 西武HDの反対表明により、今後は敵対的TOBに発展する。TOBの実施期限は4月23日。サーベラスは、外国人株主などから株式を買い集めるとみられており、成立すれば西武HDはリストラ策の実施を強いられる可能性が出てくる。居郷肇球団社長兼オーナー代行は「後藤オーナーからは、絶対に(売却は)ないと言われている」と話し、飯田則昭球団専務は、27日にも渡辺監督や選手らに状況を説明するという。開幕を目前に控えた時期に表面化した球団の売却提案。今後の展開次第では、球界に激震が走ることになる。

 ◆サーベラス 92年に設立された米国を拠点とする投資ファンド。ギリシャ神話「地獄の番犬ケルベロス」の英語読みが「サーベラス」。本社はニューヨーク州、ブッシュ政権下で財務長官だったジョン・スノー氏が会長。日本の投資先として西武HD以外、あおぞら銀行など多数。

 ▽株式公開買い付け(TOB) ある特定の企業の経営権取得などを目的に、株の買い付けを希望する人が「買い付け期間」「買い取り株数」「価格」を公表して、不特定多数の株主から証券市場外で取引する方式。多くの場合、企業の合併や買収のために用いられる。米国の制度を参考に、71年の証券取引法改正で導入された。

 ≪西武の前回売却騒動≫04年10月、堤義明オーナー(当時)による有価証券報告書虚偽記載が判明。堤オーナーは責任を取り辞意を表明し、悪質と判断した東京証券取引所は西武鉄道株の上場を廃止。親会社コクドも社会的信頼が急落し、球団保有の資金繰りが困難な状況となった。同年11月には複数企業への球団売却の打診が表面化。05年3月3日に堤前オーナーが証券取引法違反の容疑で逮捕されたことで売却問題が再燃したが、金額や施設使用など、条件面で交渉がまとまらず自然消滅した。

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