北照　遠軽に続いた　北海道勢初の２校完封発進

＜菰野・北照＞６回１死二、三塁、吉冨を中飛に打ち取る北照・大串

第８５回センバツ高校野球大会第３日２回戦 北照７―０菰野

（3月24日 甲子園）
　１２４キロのクロスファイアに、４番打者のバットは動かなかった。８回１死一、三塁。北照・大串は、外角へのスクリューを４球投じた後、吉富の内角へ最高の直球を決めた。

　「あの球が一番良かった。打たれそうで打たれないのが自分の持ち味。粘り強く投げられた」

　１年間の成長が詰まった８安打完封だった。昨年センバツでは１回戦の光星学院（青森）に０―３で敗れた。初回に失点した反省を生かし、この日は２三振を奪うなど３者凡退の立ち上がり。「昨年負けた日の新聞を部屋に張って、悔しさを忘れないようにしてきた」。冬の間に習得したスクリューを織り交ぜ、６イニングで走者を背負いながら、本塁を踏ませなかった。

　２３日には練習へ移動するバスで、遠軽の試合をテレビ観戦。前田が完封する姿を見て刺激を受けた。北海道勢２校が初戦を突破するのは２４年ぶり、２校完封は初の快挙だ。「遠軽高校さんがいい形でバトンを渡してくれた」。河上敬也監督も「両校勝てて良かった。北海道に帰れば２メートルの雪ですから、一日も長くここで野球ができれば」と意欲を見せた。

　≪２４年ぶりＷ突破≫北照が菰野を下し３回戦に進出。２３日の遠軽に続いて北海道勢がともに初戦突破したのは８９年の東海大四、苫小牧工以来２４年ぶり。過去には７５年の札幌商、北海道日大、８８年の北海、函館大有斗も初戦を勝ち上がっており、通算４度目。２校完封発進は初めて。