遠軽が21世紀枠対決制す 史上最短2位タイ1時間16分

[ 2013年3月24日 06:00 ]

<遠軽・いわき海星>6回2死一、二塁、遠軽・柳橋が先制の2点適時三塁打を放つ  投手・鈴木

第85回センバツ高校野球大会第2日 遠軽3-0いわき海星

(3月23日 甲子園)
 歴史的初勝利。日本最北端からの初出場を果たした遠軽ナインが、甲子園で勝った。佐藤貴之監督は「本当にうれしくて…。奇跡とまぐれだった」と喜びをかみしめた。

 いわき海星と史上初の21世紀枠対決。両校ともに投手がテンポよく投げ、バックも好守が目立った。試合時間は1時間16分。1932年に行われた第9回大会の京都師範―海草中の史上最短1時間15分に迫る2位タイの記録だった。指揮官は「(いわき海星の)若林監督とは、見てくれる人に対して、いい試合をしようと話した。そういう試合になったのでは。21世紀枠としての役目は果たせたかなと思う」と胸を張った。

 試合を決めたのは、主将の一振りだった。0―0の6回2死一、二塁。4番・柳橋が中越えに三塁打を放ち、中継プレーが乱れる間に自身も生還した。「合わせるのではなくフルスイングしたから打球が伸びてくれた。最高です」。開幕2日前、母・徳美(なるみ)さん(52)からの激励メールに「緊張しないで、いつものようにやるわ!」と返信した。ビニールハウスで振り込んできた、いつもの自分のスイングだった。三塁の守備では3回1死三塁のピンチにライン寄りの打球を跳びついて好捕した。

 土の上での練習は2月23日からの神奈川合宿から。氷点下25度にもなる環境にも音を上げず、1勝をつかんだ。9回に一塁手・松下が走塁妨害で失策が付いた。ナインは「あの妨害がなければなあ」と最短記録更新を悔やむほど、最高の笑顔だった。

 ▽遠軽町 北海道の北東部、オホーツク総合振興局の紋別郡で内陸部に位置し、商業、林業、農業が盛ん。これまで甲子園出場校中、最北端の高校は網走南ケ丘(1967年夏、70年春)の北緯44度0分だったが遠軽は北緯44度3分に位置し、それをわずかに上回る。町民は2万2035人(12年12月現在)で、町のシンボルは北海道自然百選にも選ばれた高さ78メートルの瞰望岩(がんぼういわ)。町花はヒマワリ。佐々木修一町長(54)。

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2013年3月24日のニュース