浩二監督 自主性重視が引き起こした共通意識の欠如

[ 2013年3月22日 12:00 ]

選手の自主性を重んじた山本監督

 管理野球か、自主性を重んじるか。山本監督が採った道は後者だった。「選手の失敗に関しては全く問わない。自由度を失いたくないし、思い切ってやってくれればいい」。指揮官はその思いを常に口にした。

 日本球界を代表する一流どころが集まったからこその決断。それはデータの扱い方にも表れた。今大会、現場レベルでのデータ収集は2連覇を成し遂げた前回大会と同じ巨人の西山、村田両スコアラーが担当。吸い上げたデータの集積には、昨季巨人を日本一に導いた橋上戦略コーチが当たった。いずれもがスペシャリスト。橋上コーチは1月中から都内のデータ解析会社・データスタジアムにこもり、各国の選手に対する詳細なデータをかき集めた。それでも山本監督は、対戦国に絞った密なミーティングは試合当日に限定した。

 「とにかく橋上コーチには分かりやすい言葉で簡略化してもらった。ミーティングを以前からやったら選手は硬くなるだろう」と指揮官。事前のデータが生きることもあれば、データにとらわれ逆効果となることもある。山本監督はその負の部分を恐れたわけだ。だが、今大会で対投手の一番のテーマでいえば、日本では少ない打者の手元で大きく動くムービングファストボール対策。実際にシンカーやツーシームを操る台湾・王建民(ワン・チェンミン)や、プエルトリコのM・サンティアゴというクセ球にてこずり、攻略の糸口さえつかめなかった。選手にはタブレット端末が渡され、個々にデータ分析を行える状況にあったが、チーム全体として攻略の共通意識が欠けていた。山本監督は「“共にアメリカへ”という合言葉が逆に2次ラウンドを突破して、ホッとさせてしまったかもしれない」と反省する。重圧を解きほぐすために、選手を大人扱いし自主性を重んじたが、結果として指示があいまいとなった印象は拭えない。

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