侍ジャパン、最大の壁はドミニカ共和国…森繁和氏が2次R2組分析

[ 2013年3月13日 08:11 ]

ドミニカ共和国代表のボルケス

 米国、プエルトリコ、ドミニカ共和国、イタリアが2枚の準決勝切符を懸けて争うWBC2次ラウンド2組は12日(日本時間13日)に開幕する。中日コーチ時代の04年から毎オフ、ドミニカ共和国を視察に訪れ、中南米の野球事情に精通している野球評論家の森繁和氏(58)が4カ国の戦力を分析。攻守に高いレベルを誇るドミニカ共和国が頭一つ抜けていると評価。3連覇へ最大の難敵と位置付けた。

 ドミニカ共和国の強さは本物だろう。大リーガーをズラリそろえた顔ぶれ。選手の状態もいい。何より今までと違うのは、投手陣の質が高いこと。球数制限を見据え、救援陣を数多く登録している。7回はドテル、8回はカシーヤ、そして守護神ロドニーも150キロ超の直球を誇る。終盤3イニングは盤石。侍ジャパンに敗れた台湾、オランダのように、継投するごとに投手のレベルが落ちていくようなことはない。

 トニー・ペーニャ監督は、以前は同国ウインターリーグのアギラスというチームでも監督を務めていた。それだけに、代表選手の特徴などを十分に把握している。これも強みだ。打順もほぼ固定されており、特に3番・カノは3試合連続3安打。俊足の1番・レイエスらが出塁し、父・ホセがコーチとしてベンチ入りしているカノを中心とした中軸が還す。この得点パターンは相手にとって脅威となる。

 プエルトリコは1次ラウンドが地元開催という後押しもあったが、投手力はドミニカ共和国に比べてやや落ちる。下位打線も固定できていない。初戦のメキシコ戦で敗れながら、その後に連勝した米国の方が状態は上向いていると思う。打線も勝った2試合は11、14安打で計15得点。エース格で、メキシコ戦で4回4失点で負け投手となった昨季サイ・ヤング賞のディッキー(ブルージェイズ)の復調が鍵だ。イタリアは打線は好調も、国内リーグの選手に飛び抜けたものはない。格としては一枚下だろう。

 2組の4チームは、16日(日本時間17日)にフロリダ州での2次ラウンドを終えると、そのまま翌17日(同18日)からの準決勝に臨む。一方の侍ジャパンは、この日のオランダ戦から中5日。現地で練習試合こそ行うが、間隔は空く。2次ラウンドを勝ち抜いた勢いのまま向かってくる相手にどう対応するのかも、大きなポイントだ。

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