マー君 決勝先発有力 東尾コーチ「前回大会の経験者 大きなファクター」

[ 2013年3月12日 06:49 ]

練習前に黙とうをささげる田中(中央)ら侍ジャパン

 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を狙う侍ジャパンは、19日(日本時間20日)、サンフランシスコAT&Tパークで行われる決勝に進んだ場合、先発は田中(楽天)になることが有力となった。

  午前11時、田中は東京ドームのグラウンドで静かに目を閉じた。約1分間の黙とう。祈りをささげて決意を新たにした。

 「まだ普通の生活を送れない人たちもいっぱいいる。風化させてしまうことが一番怖い。忘れさせないためにも、できることをやっていく。今は日本全国に野球でいい話題を届けたい」。侍のエースの言葉だった。

 3・11。あれから2年たち、被災地球団のエースの復興への思いは少しも薄れていない。今は侍戦士として夢を届けている。そんな田中に、さらなる夢をもたらせる舞台が巡ってきた。19日(日本時間20日)、サンフランシスコAT&Tパークの決勝マウンドだ。

 「胸の内にあるけどな。(予告は準決勝の)マエケンだけで勘弁してくれ」。決勝の先発を問われた山本監督はそう言って笑った。

 10日夜のオランダ戦で快投した前田健は準決勝に決定。安定した先発投手は前田健だけという台所事情の中、東尾投手総合コーチは「これまでのドーム球場と(米国の)屋外とは違う。ボールの扱いに変化が出るから。前回大会の経験者というのは大きなファクター」と説明した。

 前回大会は田中と杉内がサンディエゴ、ロサンゼルスで3試合ずつ登板。経験値の高い左右2枚を決勝にスタンバイさせる方針で、先発はエースのプライドに懸ける意味から田中が有力となった。

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