王建民 4年ぶりヤ軍復帰へ マイナー契約「合意間近」

[ 2013年3月12日 06:00 ]

ヤンキース復帰が濃厚となった王建民

 ヤンキースが、WBC台湾代表で、ナショナルズからFAとなっている王建民(ワン・チェンミン)投手(32)を、マイナー契約で獲得する方針を固めたことが10日(日本時間11日)、分かった。同投手は09年までヤ軍に所属しており、4年ぶりの復帰となる。

 WBCで侍ジャパンを苦しめた右腕が、再びピンストライプに身を包む。ある米球界関係者は「両者は基本合意間近に達しているようだ」と証言。ヤ軍でピッチング・コーディネーターを務めるビリー・コナーズ氏も、キャンプ地のフロリダ州タンパで本紙の取材に応じ「体調に問題ないことは分かっている。メジャーで投げる力はある」と球団幹部に獲得を進言したことを認めた。

 今季無所属のまま台湾代表のエースとして臨んだWBCでは、1次ラウンドのオーストラリア戦、2次ラウンドの日本戦で、ともに6回無失点。シンカーを武器に、侍打線を苦しめたことは記憶に新しい。台湾の2次ラウンド敗退後も日本にとどまり、複数球団との交渉を行ったもようだが、最終的にヤ軍復帰の道を選んだ。

 06、07年にアジア人最多の19勝を挙げた王建民だが、その後は故障に泣かされ、09年オフに右肩を手術。全盛期は最速150キロ台を誇った高速シンカーは、現在140キロ台前半に落ちたが、WBCでは持ち味のゴロを打たせる投球で復活を印象付けた。コナーズ氏も「WBCの前に、俺の家のブルペンで投球を見た。彼らしいシンカーが戻ってきていた」と話した。

 ヤンキースは先発4番手のヒューズが背中の痛みのため、オープン戦登板のめどが立っていない状況。5番手のノバも安定感を欠いており、先発投手の補強が急務となっている。前回所属時には、松井秀喜とのアジア人タッグでニューヨーカーをとりこにした右腕。今度はイチロー、黒田とともに、ワールドシリーズで「本当」の世界一を目指す。

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2013年3月12日のニュース