TDK佐藤智「東北代表で来ているので」元気送る好投

[ 2013年3月12日 06:00 ]

<TDK・東邦ガス>好投したTDK・佐藤智

第68回スポニチ大会 TDK5―2東邦ガス

(3月11日 岩槻)
 社会人野球の幕開けとなる第68回東京スポニチ大会が11日に開幕し、3会場でリーグ戦8試合が行われた。岩槻では今大会唯一、東北から出場しているTDK(秋田)が、佐藤智洋投手(24)の好投で震災から2年の日に東邦ガスに快勝。神宮ではJR東日本の今秋ドラフト上位候補右腕・吉田一将投手(23)が日本新薬相手に8回2失点で勝利を挙げた。12日もリーグ戦8試合が行われる。
【試合結果】

 この日だけは負けたくなかった。富士大(岩手)出身の3年目右腕・佐藤智が、直球にスライダーを織り交ぜ東邦ガス打線を翻弄(ほんろう)。5回1/3を4安打2失点にまとめ、勝ち投手となった。

 震災から丸2年。大会が行われている岩槻、神宮、大田の3会場全てで、2試合目開始前に黙とうがささげられた。「東北代表で来ているので自分たちが頑張って東北に明るいニュースを届けたい」。富士大の後輩には両親を亡くした人もいる。あらためて野球をやれる幸せを実感してのマウンドだった。

 先頭打者を四球で歩かせた3回は、盗塁を許した後に中前打で失点。しかしそこから三振、一ゴロ、遊ゴロと3人で仕留めた。川本大監督は「これまではズルズルと点を取られる傾向にあったが、まとめあげた。成長した」と粘りの投球に目を細めた。

 TDKは震災直後、岩手・陸前高田市出身のOBを通じて毛布や、食料など支援物資を送った。指揮官は「また元の元気な東北に戻ってくれれば」。その東北代表として、まずは決勝トーナメント進出を目指す。

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2013年3月12日のニュース