高津臣吾氏 台湾中軸打者は「ストライクゾーンからボールの変化球で勝負」

[ 2013年3月8日 06:36 ]

ティー打撃に汗を流す台湾の主砲・林智勝

WBC2次ラウンド1組1回戦 日本―台湾

(3月8日 東京D)
 侍ジャパンが2次ラウンド初戦で対戦する台湾で警戒する打者は誰か。10年に台湾プロ野球の興農ブルズでプレーした野球評論家の高津臣吾氏は、自らの対戦経験も踏まえ、彭政閔(ポン・ジェンミン)内野手(34)と林智勝(リン・ジーシォン)内野手(31)のタイプの違う右の3、4番コンビを挙げた。

 台湾の得点パターンは決して多くない。1番の陽岱鋼が出塁して、3、4番が還す。この2人が機能した時は点が入るが、逆に言えば、この2人を抑えればそれほど怖くない。3番の彭政閔は1メートル83、91キロ、4番の林智勝は1メートル83、95キロ。ともにガッチリした体形の右の強打者だ。ただ、タイプは全く違う。

 兄弟所属の彭政閔は台湾球界のスーパースター。通算打率・348、08年にはリーグ史上最高の打率・391をマークしたように、打率も残せる中距離ヒッターだ。内角は引っ張り、外角は逆らわずに反対方向に流す。長打は狙わず、特に走者がいるケースでは右方向への打球が増える。

 一方、ラミゴ所属の林智勝は典型的なホームランバッター。私がプレーした10年も本塁打と打点の2冠に輝いている。配球が外角に偏ると、時折、右方向にも打ったりするが、基本的には引っ張り専門だ。一発はあるが、三振も多い。

 2人とも際立った成績を残しているが、台湾の投手は日本の投手ほどの細かいコントロールはない。対策としては、いろいろな球種を使い、ストライクゾーンからボールになる変化球で勝負するのがいい。これは台湾全体の打者にも言えることだが、単調な攻めには強いが、弱点を分析して、しっかり配球すれば抑えられるはずだ。

 今大会の台湾はベテランと若手がうまくかみ合っている。1次ラウンドはホームの強みも生かしていた。台湾の選手は乗った時は勢いづくが、空回りすると全員が意気消沈する傾向がある。日本は2位通過となったが、東京ドームということを考えると、一発があるオランダよりも台湾の方が戦いやすい。投手陣が本来の実力を出せれば、負ける相手ではない。

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2013年3月8日のニュース