黒田 圧巻ドミニカ斬り「あまり打たれるのは気分が良くない」

[ 2013年3月8日 06:00 ]

<ヤンキース・ドミニカ共和国>3回を2安打無失点のヤンキース・黒田

練習試合 ヤンキース2―8ドミニカ共和国

(3月6日 タンパ)
 ヤンキースの黒田博樹投手(38)が6日(日本時間7日)、WBCで優勝候補の一角に挙げられるドミニカ共和国との練習試合に先発し、3回を2安打無失点4奪三振と好投した。前日は28安打15得点と猛爆した強力打線を寄せ付けない圧巻の内容。4年ぶり、メジャー自身2度目の開幕投手へ、また一歩前進した。WBC1次ラウンドはC組とD組が7日(同8日)に開幕。ドミニカ共和国は、いきなり強豪ベネズエラと激突する。

 負けず嫌いの男が本気になった。「たくさんお客さんがいる前で、あまり打たれるのは気分が良くないですから」。7人のオールスター選手が並び、「WBC史上最強」との呼び声が高い強力打線に対し、3回無失点。昨季チーム最多の16勝を挙げた右腕のプライドに火を付けるには十分の相手だった。

 初回は2者連続三振の立ち上がり。レイエスには外角フォークを振らせ、アイバーは内角のボールゾーンからストライクになる得意の「フロントドア・シンカー」で見逃し三振を奪った。2回以降もシンカー中心の配球。被安打2で、まともに捉えられたのは2回のエンカーナシオンの左中間二塁打くらい。4回以降、ドミニカ共和国が毎回得点したことが、黒田の投球をより際立たせた。

 まだ2試合目の実戦登板。本来ならシーズンを見据え、さまざまな配球や球種を試す期間だが、あえて勝負にこだわった。「短いイニングを投げる配球で、少し楽をしてしまった。シーズンに入れば、もっといろんなボール(球種)を使わなければいけないんですけど」と駆け引きなしの投球。「楽をした」の言葉には余裕すら感じられた。

 ジョー・ジラルディ監督も「ヒロキは素晴らしかった」と驚きもせずに即答。指揮官は既に、4月1日(日本時間2日)のレッドソックスとの開幕戦の先発を黒田、サバシア、ペティットの3人から選ぶと明言している。調整が遅れ、オープン戦の登板日すら決まっていない2投手をリードしたことは間違いない。

 「僕の中では、既にシーズンが始まっている。中4日での調整が10月まで続く」と黒田。野茂英雄以来、日本人2人目の両リーグ開幕投手を目指す右腕の投球は、侍ジャパンへも無言のエールとなったはずだ。

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2013年3月8日のニュース