坂本3番→1番、内川5番→3番 打順変更、初回に奏功

[ 2013年2月25日 06:00 ]

<オーストラリア・日本>初回1死二塁、先制適時打を放った内川はガッツポーズ

侍ジャパン壮行試合 日本10-3オーストラリア

(2月24日 京セラドーム)
 心のモヤが晴れた。前日は素直に喜べなかったが、この日は選手を心から褒めていい。13安打で10得点を奪った打線に、山本監督にも安どの表情が広がった。

 「打線の組み替えで、替えたバッターがそれぞれ仕事をした。皆さんも大いに心配していたでしょうが、私も少し心配していた。つながりがあって良かった」

 前日から坂本を3番→1番、内川を5番→3番とし、実戦でノーヒットだった長野を1番→5番に落とした。(1)坂本は初球から積極的にいける(2)内川はいい状態が続いている(3)長野に自分の打撃を取り戻させる――。「内川はチャンスも生かせるし、つくれる。坂本、長野は気持ちの切り替えもあった」と説明。3人の現状と特長を考えての配置転換だった。

 初回にいきなり機能した。坂本が四球を選び、松井が送ると、1死二塁から内川が中前打で先制。2死後に内川が二盗を決め、長野がしぶとく右前へ運んだ。内川は3安打3打点の活躍に「きのうの相川さんの本塁打の勢いをつなげるために1発目(の打席)が大事だと思った。自分のスイングを心がけた」と言った。長野も初安打に「みんなでつないで得点できて良かった」と笑顔をのぞかせた。

 梨田野手総合コーチ、立浪打撃コーチは「基本はきょうの形になると思う」と口をそろえた。糸井の1番構想も首脳陣はあるが、3月2日のブラジル戦(ヤフオクドーム)までの実戦は残り2試合。結果が出た打線を大きくいじる必要はない。ようやく3連覇を狙う打線の輪郭が見えた。

 6回の右犠飛に加えて3度の出塁で全て生還した坂本は「積極的にいくところはいく」と言った。前日は球審のストライクゾーンを意識するあまり、後手に回った選手たち。この試合は違った。三振は一個。追い込まれる前に、打つべき球を打った結果だった。

 「本大会まで日にちはない。あとはいい状態の選手をどう使うかです」と山本監督。2死からの2盗塁も得点に絡んだ。侍たちが、自分たちの野球をようやく体現した。

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