楽天・則本 菅野に負けない!巨人も斬って11回零封

[ 2013年2月25日 06:00 ]

<巨・楽>楽天先発の則本は4回を無失点

オープン戦  楽天1―2巨人

(2月24日 沖縄セルラー)
 昨季日本一球団を相手に堂々と投げ切った。実戦でプロ初の4イニング目に入っても球威は衰えない。楽天ドラフト2位右腕・則本は第1打席で右前打を許した村田を146キロ直球で二ゴロに仕留めると、メジャー92発のロペスも遊飛に打ち取った。

 「巨人打線はスイングが速かった。0点に抑えて帰ってこられてよかった」。4回2安打無失点に抑え込み、頬を緩めた。

 注目の菅野との投げ合い。「投げる前は意識した」というが、マウンドでは一変。「打者に集中できた」と先頭・大田への初球で、この日最速で菅野を上回る147キロを記録。そして大田、松本哲をいきなり連続三振に仕留めた。ただ2死から高橋由に四球、村田、ロペスには連打を浴びた。右翼・牧田が本塁で刺して無失点に切り抜けた。

 初回に崩れかけたことで並の新人なら舞い上がりかねない。だが、則本は違った。「初回は内角の直球が甘かった。打たれてもいいんだ、と切り替えて修正できた」。2回以降はその内角球と球速が違う3種類のスライダーで無安打に抑えた。

 八幡商(滋賀)では1年夏の甲子園出場もベンチ外。2年夏からエースとなったが、県大会ベスト4が最高だった。三重中京大でも同学年の亜大・東浜(ソフトバンク)、法大・三嶋(DeNA)らの陰で目立つことはなかった。スカウトの目にようやく留まったのは、昨年春の大学選手権だった。初戦の大体大戦(東京ドーム)で延長10回20奪三振を達成。近大・大隣(ソフトバンク)と東洋大・藤岡(ロッテ)が持つ同大会の1試合最多奪三振19を参考記録ながら超えた。

 雑草がサラブレッドと投げ合い、譲らなかった。3回までに4奪三振も菅野を上回った。これで実戦での無失点イニングは4試合で「11」。星野監督は「まだ内角に投げるのを遠慮しとる」と注文をつけたが、その起用法には「いろいろ使ってみるわ」とほくそ笑んだ。先発か、抑えか。いずれにしても一級品であることは間違いない。

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