中島 八艘飛び併殺!コーチ絶賛「2番・遊撃」デビュー

[ 2013年2月25日 06:00 ]

アスレチックス・中島がスライディングを避けジャンピングスロー

オープン戦 アスレチックス1―2ブルワーズ

(2月23日 米アリゾナ州メリーベール)
 八艘(はっそう)飛びだ!アスレチックスの中島裕之内野手(30)が23日(日本時間24日)、ブルワーズとのオープン戦に「2番・遊撃」でデビュー。2打数無安打ながら、2回の守備では、一塁走者の激しいスライディングをジャンプでかわして併殺を完成させるなど、3度の守備機会を華麗にこなした。過去、日本人選手がはね返されてきた遊撃手のポジション。定位置奪取へ上々のスタートを切った。

 メジャーの洗礼がルーキーに襲いかかる。2回1死一、二塁で、セグラの二遊間のゴロを二塁手ウィークスが捕球。体勢を崩しながらトスしたが、一塁方向にやや流れた。二塁ベースに入る中島。その足元を目掛けて、一塁走者のグリーンが併殺阻止の激しいスライディングを試みてきた。

 「一発目でつぶされたらアカン」。次の瞬間、背番号3はひらりとジャンプしてかわし、一塁へ送球。初の併殺を完成させると、白い歯を見せて三塁側ベンチへ戻った。

 「ランナーがスライディングする方に(トスが)来た。何となくジャンプした」

 ゴールデングラブ賞を3度獲得した西武時代から時折見せた本能のプレー。ウィークスが「あまり連係プレーの練習はできていないのに、ぴったりと息が合った」と話せば、マイク・ガレーゴ三塁コーチは「今夜のESPN(スポーツ専門局)に取り上げられるべきプレーだ」と称賛した。

 メジャーの遊撃手は高い身体能力が求められ、日本人には最も難しいポジションと言われる。実際、日本で名手といわれた松井(現楽天)、西岡(現阪神)はメジャーでは遊撃手としては定着できず、二塁にコンバートされた。併殺崩しのスライディングの激しさは日本とは雲泥の差。11年にはツインズ移籍1年目の西岡が、左すね腓骨(ひこつ)を骨折したのも記憶に新しいが、中島は「ダブルプレーになったので、問題ないということ」と事もなげに言った。

 2番で出場した打席では初回に7球粘って四球を選び、つなぎ役をこなした。初安打はお預けとなったが、「お客さんも楽しそうに見ていて、盛り上がり方も(日本とは)違う。凄く楽しかった」と目を輝かせた。「正遊撃手」として2年契約で迎え入れられた中島。日本人の意地とプライドを懸けた戦いが今、始まった。

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