【野球のツボ】WBC代表選考 この方法しかなかった

[ 2013年2月21日 17:47 ]

チーム力アップへ。一塁スタメンも十分ありえる中田

 侍ジャパン28人の選手が決まった20日の夜の阿部のコメントを紹介させていただきたい。記者会見で山本監督が28人の名前を読み上げた後、宮崎市内の料理店に監督、コーチ、28人の選手、そして外れた5人の選手が集まった。音頭を取った阿部が実にいいセリフを口にしてくれたのだ。

 「きょうで5人が外れることになったけど、侍ジャパンはあくまで、この33人。5人のことを絶対に忘れずに頑張ろう。5人のことを頭に置いて、これからもプレーしていこう」

 33人を招集し、5人を最後に外す。スタッフもその日に向けて、覚悟を決めて臨んだ合宿だったが、やはり難しい作業だった。20日の夕方5時に選手たちに通告したのだが、山本監督は4時40分ごろまで悩んでいた。言われる選手が一番辛いのは確かだが、言う側も辛かった。

 前回のWBCはメジャー組もいて、ほぼレギュラーが固まった形で控えを選んだが、今回はまだ流動的な部分も残っている。チームのバランスを考えれば、大島か聖沢を残したいところだが、昨年秋のキューバとの練習試合で打力をアピールした角中を最終的に選んだ形だ。代打として考えても、外野のスタメンとして考えても角中は必要。相手が右投手の場合、DH角中の選択肢もある、とスタッフは考えている。

 直前で5人を外すのではなく、28人で臨み、足りなくなれば追加招集すれば、という意見も目にした。確かに最初からメンバー固定で戦えるのなら、それほど楽なことはない。しかし、それぞれのコンディションと仕上がり具合を見極めるためには、直前でチョイスするこの方法しかなかったと思う。仮に第1ラウンドが始まってから、故障で代役を補充するとなると、その選手が出場できるのは第2ラウンドから、というルール上の理由もある。

 ともあれ、メンバーは決まった。これからは第1ラウンド初戦のブラジル戦に向け、チーム力を上げていくことに専念するだけ。合宿では鳥谷の二塁、三塁がいずれも使えると分かったことと、中田の一塁守備を確認できたことが収穫だった。相手先発が左の場合、中田一塁スタメンというケースも想定できる。
  
 決起集会は最後に監督、スタッフが選手からの「イッキコール」に応える形で盛り上がった。監督も私もアンコールにも応えて、グラスを空けた。前回WBCではなかった光景。5人のことを忘れずに、侍ジャパンはひとつになって戦いの臨む。(WBCコーチ・高代 延博)

 ◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務める。浩二ジャパンの頭脳。

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