マー君滑った…WBC球に苦しみ2回2失点

[ 2013年2月18日 06:00 ]

<侍ジャパン・広島>マウンド上でボールを見つめる田中

WBC強化試合 日本代表0―7広島

(2月17日 サンマリン宮崎)
 侍エースが自らにダメ出しだ。3月に開催される第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの代表候補合宿3日目となった17日、サンマリン宮崎で広島との強化試合が行われた。先発した田中将大投手(24=楽天)は2回で37球を要し、3安打2失点。滑りやすいWBC球への対応に課題を残した。試合も0―7で完敗。3連覇を目指す侍ジャパンにとっては、不安を抱えた船出となった。

 違う。一致しない感覚に田中の表情が曇った。初回2死一塁。エルドレッドに先制の右越え二塁打を浴びた。カウント1ボール2ストライクと追い込み、外角低めを狙った144キロの直球。ボールでもいいとイメージし、本塁ベースをかすめるはずの軌道が「中に入った」。本塁カバーからマウンドに戻る田中は、何かつぶやいていた。

 「何としてもゼロに抑えたかった。点数も取られたし、きょうはよくなかった。投げていてちょっと何かズレというものがあった」

 原因は明らか。WBC球への対応の難しさだった。日本の統一球と比べて滑りやすい革質。「それはもう全くの別物。それが当たり前だと思って投げるしかない」。言い訳しなかったが、初回2死から3連打を浴びて2失点。捕手の阿部も「違い」を感じ取っていた。

 「練習の時よりも滑っていた」と証言したのは、田中の武器であるスライダー。「曲がりが小さくて速かった。聞いたら“わざとじゃないんです。なっちゃうんです”と言っていた」と明かした。本来WBC球は縫い目が高く不規則で、空気抵抗が増し、曲がりが大きくなるが、抜けやすい弊害もある。田中も「スライダーもツーシームもよくない。変化球の曲がりで思い描いていたのとズレがあった」と認めた。

 15球投げたスライダーのうちボールは5球だったが得意球に生じたズレが投球全体を狂わせた。2回で37球を費やした。1イニング平均18・5球では、65球の球数制限がある1次ラウンドでは4回まで持たない計算だ。

 それでも田中は、原因を突き止めていた。「ずっとピッチングばかりやっているとフォームも小さくなっていく。投げていて真っすぐの力強さも感じられなかった」。異なるボールでの練習が続くうちに、無意識に指先に意識が集中した。「大きく体を使って投げていきたい」。今後は遠投を取り入れることで、力強いフォームと指先の感覚を一致させる突貫調整を決めた。

 先発が内定している3月2日のブラジルとの開幕戦(ヤフオクドーム)まで、実戦登板は23日のオーストラリア戦(京セラドーム)のみ。「対バッターになった時の、違和感がある。まだ自分の気持ちと体のバランスも合ってない」。本番まで2週間。侍エースが本来の姿を取り戻す時間はまだ、ある。

 ▼東尾投手総合コーチ この寒さとあのボールだから。本人も滑るのは分かっている。微妙な対応は本人が考えているでしょう。

 ▼山本監督 まだこれから(調子が)上がってくるだろう。本人としても切れがもうひとつでしょうね。

 ▼与田投手コーチ まだ投手陣はボールへの慣れという点で問題がある。屋内でのブルペン投球から屋外での試合という違いもあるし、寒さなどの影響もある。各自が考え、不安を取り除いていくしかない。

 ▽WBC使用球 MLB公式球に大会マークを刻印したもので米ローリングス社製。指先になじみやすく球の形や縫い目が均等な牛革の日本の統一球に比べて、馬革で滑りやすい。縫い目も高く、球の大きさも均一ではない。大きさは周囲9インチ~9インチ1/4(約22・9~23・5センチ)で太めの綿糸を使用している。

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