マー君変身 “脱”スライダー 滑るWBC球「ミスすると怖い」

[ 2013年2月16日 06:00 ]

合宿初日、チェンジアップを投げる侍ジャパン代表候補の田中

侍ジャパン宮崎合宿

(2月15日)
 世界一3連覇へ、侍ジャパンがスタートを切った。3月に行われる第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの代表候補合宿が15日、宮崎市の宮崎県総合運動公園でスタートした。エース・田中将大投手(24=楽天)がジャスト40球のブルペン投球。ボールを受けた主将の阿部慎之助捕手(33)と国際大会仕様の投球スタイル確立へ、球種の仕分け作業に着手した。合宿は33選手が参加し21日まで行われ、日本代表28選手が選出される。

 本気の目だった。田中の目がマウンド上よりも鋭く、真剣味を帯びていった。投球練習直後、阿部と言葉を交わした4分間のやりとり。エースと正捕手の熱く、真剣な視線が木の花ドームのブルペン横で交わった。

 「企業秘密なので言えないです」。田中は一度は冗談めかしたが、真剣な表情に戻って「試合での球種の使い方の話でした。変化球の話です。球種についての優先順位だとかです」と続けた。

 国際大会仕様に仕上げられたマウンド。炭谷を相手に21球を投げると、阿部が視線の先で座りミットを構えた。気持ちのこもった19球。40球目を外角低めへ決めると、阿部のもとに歩み寄った。ボールのやりとりだけではできない意思疎通。世界一を目指すバッテリーに必要不可欠なコミュニケーションだった。

 WBCでは日本の統一球よりも滑りやすく、変化がより大きくなるメジャー球を使う。「横のスライダーとか縦スラはコントロールしづらい。ミスすると怖い球。僕の場合は武器ですけど気をつけないと」。最大の武器であるスライダーだが、縫い目が粗いこともあって空気抵抗を受け、変化も通常の軌道より大きく曲がり始めも早くなる。つまり、打者が見極めやすくなる。一方でツーシーム、スプリットには「問題ない」と手応えを感じた。何が使え何が使えないのか。阿部との確認は、WBC仕様へのモデルチェンジのための球種の仕分け作業。田中は「息の合ったバッテリーじゃないとダメなのでよかった」とほほ笑んだ。

 投球もWBCを想定。21球目からは直球、ツーシーム、スライダー、チェンジアップを内外角の高めに投げた。低めだけでなくストライクゾーンの四隅を有効活用して打者を打ち取る。球数制限を念頭に、少ない球数で打者を打ち取るための準備。1日の楽天キャンプで田中を視察していた山本監督が「精度が上がってきたな」と感心すれば、阿部も「マー君、器用だなあ」とうなった。

 17日の広島戦(サンマリン宮崎)がこのメンバーでの初実戦。東尾投手総合コーチは「17日はマー君でスタートします。田中はもっと良くなるよ」と広島側で先発する前田健との対決を明言した。全て中継ぎで4試合、計2回1/3の登板だった09年の前回大会から4年。「チームの中心となってやっていくという覚悟を持ってやっていかないといけない」。侍エースが風格漂う言葉で初日を締めた。

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