平井 故仰木監督に日本一誓う ゆかりの古酒に“願い”

[ 2013年2月13日 06:00 ]

故仰木監督の泡盛の瓶を前に乾杯するオリックスの平井(左)と小松

 11年ぶりにオリックスに復帰した平井正史投手(37)が、故仰木彬元監督が残した古酒2瓶が眠る宮古島の酒造メーカー「多良川」の貯蔵庫を訪れ、恩師に日本一奪回を誓った。現在のチームでは、96年の日本一を経験した唯一の現役選手。Bクラス常連となったオリックスを引き上げるため、屋台骨となって働く決意を見せた。

 酒瓶に掛ける紙に、平井は迷いなく「日本一」と目標を書き込んだ。「Aクラスとか書いていたら上は狙えないんだよ」。常勝軍団となった中日で10年間プレーして4度のリーグ優勝経験が、そう言わせた。そして、その言葉を誰より届けたいのが仰木元監督だった。

 恩師の残した古酒を一口飲み、思い出を明かした。93年のドラフト1位指名から始まり、常にプロの道を示してくれた。デビュー戦となった94年9月10日の近鉄戦(藤井寺)は同点の9回裏、無死満塁でマウンドに上げられた。1死は奪ったものの、結局犠飛を打たれてサヨナラ負け。記録上、平井は負け投手にならなかったが、うな垂れてベンチに戻り、監督室に呼ばれた。

 「怒られると思っていたら、仰木さんが賞金をくれたんだ。『これで新地に行ってこい』って。当時は、まだ19歳だったけど」。20年目を迎えるプロ生活で、負け試合での監督賞はそれが唯一。「あれがあったから、ここまで来られた」と感謝の気持ちが絶えない。

 個人タイトルには興味がない。チームでは唯一96年の日本一を知る現役選手。今季復活すればカムバック賞も考えられるが「どこまでカムバックさせんねん! 狙ってないよ。日本一になりたい気持ちが上」。03年に続く2度目の受賞となれば史上初の快挙だが、「日本一に少しでも力になれれば」と封印した。

 方針に従い、チーム最年長の37歳もブルペンで1日100球のノルマを果たしている。「総数はもう1000球超えた。20回目のキャンプが一番しんどい」と苦笑いしながらも、選手層の厚くなったチームを見渡し「面白いんじゃない、今年は」と腕を回した。天国の仰木さんと日本一の美酒を飲むために、秋までフル稼働する顔だった。

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