斎藤にジョニーの金言「苦しみを乗り越えた時に感動がある」

[ 2013年2月10日 12:34 ]

2軍を視察に訪れた黒木投手コーチ(左)から指導を受ける斎藤

 今季から就任した日本ハムの黒木知宏1軍投手コーチ(39)が9日、2軍キャンプ地の沖縄・国頭村(くにがみそん)を視察。右肩痛に苦しむ斎藤佑樹投手(24)を初めて指導した。黒木コーチは右肩痛が引き金となり、07年限りで現役を引退。自らの経験などを斎藤に伝え、復活へ向けて全力でサポートしていく意向を示した。

 「ジョニー」の愛称で、闘志を前面に押し出す投球スタイルと同じ。黒木投手コーチの指導は熱かった。球場横のサブグラウンドで投球フォームの確認を繰り返している斎藤の下に歩み寄る。身ぶり手ぶりを加え、約10分間の熱血指導。そしてこう伝えた。

 「自分も肩を痛めた人間。これは苦しい。でも苦しいからこそ、乗り越えた時に感動がある。神様が与えてくれた試練だと思ってやるしかない」

 01年の夏場に右肩痛で離脱。再び1軍へ戻るまで3年という月日を費やした。それだけに斎藤の苦しみは自分のことのように思えるのだ。斎藤もこの言葉に感謝感激だ。「黒木さんは(同じ)肩(を痛めた)ことを含めて、憧れていた投手。今、本当に縁があるなと思った。きょう話してみて、いろいろ考えてくれているコーチだと思いました」。黒木コーチが1軍キャンプ地へ戻った後も、金言を胸に黙々とリハビリメニューをこなし、宿舎へ戻ったのは1番最後だった。

 黒木コーチは今後も定期的に2軍を訪れ、斎藤のサポートを約束した。「投手のストレスは投げられないこと。そのストレスを取り払うことが大事。やるべきことをやれば復活できる」。斎藤は、この日までに球団へ正式に手術回避の意向を伝えた。「何年もチャンスがあるわけではない。でも焦らずに、ハイペースでやりたい」。黒木コーチが「ジョニー塾」で斎藤を再生し、投手王国を築いていく。

続きを表示

2013年2月10日のニュース