まるで殿馬!稼頭央が曲芸“グラブ叩きトス”披露

[ 2013年2月9日 06:00 ]

グラブを叩くトスを披露する松井

 殿馬づら!守道ばり!3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパン代表候補の楽天・松井稼頭央内野手(37)が8日、沖縄・久米島キャンプの内野ノックで華麗な技をみせた。二塁手として期待されるベテランは、人気野球漫画「ドカベン」の殿馬ばりのプレーや、米国の選手が行う「殺人タックル」を未然に防止するための高速バックハンドトスを披露。15日から始まる日本代表合宿(宮崎)まで、あと6日。侍唯一の元メジャーリーガーが、本番に向けて牙を研ぐ。

 ナイン、関係者の目がくぎ付けになった。雨天のため室内練習場で行われた内野ノック。WBCを見据えて二塁に入った松井は、二遊間の打球を捕球して華麗なグラブトス…ではなかった。何と、右手でグラブの外側を叩いてボールを二塁のベースカバー役まで飛ばした。人気野球漫画「ドカベン」で、二塁手の殿馬が行った美技だった。

 「もちろん、基本的な練習は大事。でも、それだけでは面白くない。自分や周りも含めて楽しみながら、練習するにはどうしたらいいかを常に考えている」。昨季から主将を務め、ムードメーカー役もこなす。元メジャーリーガーは曲芸のようなプレーで沸かせた。

 殿馬ばりのプレーだけではない。一、二塁間の打球を捕球した際、 二塁ベースカバーに入った遊撃手にバックハンドトスで送球。距離は10メートル。まるで反転してから送球したような鋭い球だった。

 「メジャーでは遊撃手と走者が交錯しないように、二塁はできるだけ早く送球することが義務付けられる。走者はスライディングで足を狙うから。だからWBCでも気をつける必要があるし、バックハンドトスが大事」

 メジャーと日本の野球の違いの中でも一番肌で痛感したのが、併殺を阻止するための一塁走者の二塁へのスライディング。送球ミスを誘うために露骨に足を標的として滑るだけに、これまで日本人内野手が「餌食」となる場面も多く見られた。

 通常、バックハンドトスは二塁への距離が短い二遊間の打球を捕球した際に使う。松井も遊撃で中堅に抜けそうな打球を捕球し、間に合わない場合にバックハンドでトスするが「試合でやるのは長くても5メートルまで」と言う。中日の高木監督は現役時代に名二塁手と言われ、一、二塁間の打球で10メートル近い距離から同トスで二塁に送球したこともあった。松井は「右手の親指で押し出す感じ。手のひらが上を向きすぎると、ボールがフワっと上がってしまう」と説明。「長い距離で練習すれば短い距離で楽」と今後も「守道トス」を繰り返し、精度を上げていく。

 今回の侍ジャパンでただ一人メジャー経験があり、ロッキーズ時代の07年にはワールドシリーズにも出場した。侍ジャパンの山本監督も「経験も豊富でメジャーのスライディングの厳しさも知っている選手」と期待を寄せる。一瞬の判断が必要とされる国際舞台。松井の技術と知識は、侍ジャパンに必要不可欠だ。

 ◆殿馬 一人(とのま・かずと) 野球漫画「ドカベン」の登場人物。明訓高校の二塁手で、奇想天外な守備を披露する。また、音楽センスを生かしたリズム打法が得意で、「白鳥の湖」や「花のワルツ」など名曲をモチーフにした秘打を多数持つ。高校卒業後はオリックスに入団。現在は東京スーパースターズに所属。語尾の「づら」が口癖。

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