今年のテーマはブリ!岩村「出世魚のようにまだ成長」

[ 2013年2月9日 06:00 ]

鰤と信条「何苦楚魂」が刺しゅうされた岩村のグラブ

 ヒットを広角に打ち分けた。1カ所打撃に臨んだヤクルトの岩村のスイングは、コンパクトで鋭かった。左前打に始まり、中越え打。右前と右翼線への安打を挟み、最後は中前に運んでみせた。

 「今の段階でピッチャーの球を打てたのは形になりつつあるということ」。昨季50試合に登板した中継ぎの山本哲を相手に13スイングで5安打。復活への一歩を踏み出し、充実した表情だった。

 メジャーから11年に楽天で国内復帰。だが、不振と故障に苦しみ、昨オフに戦力外となった。7年ぶりのヤクルト復帰は、古巣に救ってもらった格好だ。だからこそ「勝負を懸けなければいけない年。自分のケツは自分で拭く」と決意を明かす。今キャンプで取り組む打撃フォーム改造。連日、全体練習後に室内練習場へ移動し、伊勢ヒッティングコーディネーター(HC)が投げる球を約1時間打ち込む。きっかけはルーキー時代の恩師で今キャンプの臨時コーチを務める若松勉元監督の「おまえの良さは何だ」という一言。「良さ」とは逆方向への打球だ。

 「今までは引っ張りすぎ。体の軸がブレないように。特打ではいい形で打てている。継続は力なり」。打撃練習の際、足元にはバット1本分のテープを貼っている。スタンス幅を矯正するためで伊勢HCは「軸が前のめりになる。大リーグ時代にできなかった練習を今やっている。こういう練習はヤクルトでしかできない。サビを落としてやらないと」と説明した。

 今年のテーマは「鰤(ブリ)」。地元・宇和島名産の出世魚で「出世魚のようにまだまだ成長したい」という。その形を刺しゅうしたグラブで、三塁の守備練習を行う。11日に行われる紅白戦にも出場予定だ。「まだまだ、鰤にはなれていない」。新生・岩村はまだ成長過程。9日に34歳の誕生日を迎えるベテランは、今キャンプで若手の誰よりもバットを振り込んでいる。

 ▽出世魚 同じ種類の魚が、稚魚から成魚になるにつれて呼び名が変わること。大きさや外見の違い、生態の変化によると言われる。代表的な種類はブリで、ワカシ(15センチ)→イナダ(40センチ)→ワラサ(60センチ)→ブリ(90センチ以上)と変化。和名が統一化されていないため地域によって呼び名も異なり、四国ではヤズ→ハマチ→ブリ。他にスズキ、ボラ、マイワシなども出世魚。

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