教員生活で学んだ…阿井ヘッド 伝えたい、苦境を乗り切る「心」

[ 2013年2月5日 10:30 ]

インタビューで熱く語る日本ハム・阿井ヘッドコーチ

 苦境を乗り切る力になりたい――。埼玉・川越東の監督から今年1月1日付で就任した日本ハム・阿井英二郎ヘッドコーチ(48)。沖縄・名護キャンプ第1クールを終え、今の思いを聞いた。元ヤクルト、ロッテの投手だった阿井ヘッドにとって、キャンプは実に21年ぶり。真っさらな素の状態で入ったという新任コーチは、自らの役目をかみしめている。

 ――キャンプ第1クールの3日間を終えた。

 コーチはそれぞれ選手個々にイメージを持ってると思うんですが、僕は素の状態で入りたかった。先入観なく“この選手はこんな特徴があるんだ”と見られるように。イメージがあると、そういう見方ができない。僕は今まで見ていないので、新しい面を見ていければ。若い選手も先入観なく見てほしい部分はあると思うんです。

 ――素の状態で3日間見た日本ハムは?

 自主性が素晴らしい。早くからグラウンドに出てくる。強制された早さでなく、これからやる練習をイメージして備える。勉強でも予習が大事だと言うんですけど、予習することでミスをかなり防げる。予習はスタート前だから時間が限られている。それが分かっているんですね。

 ――21年前の現役時代を振り返ると。

 “もう少しこうしておけばよかった”と分かるのは、引退してから。それを今、分かってもらえるような具体的な言葉とか、話とか、できることは多少あると思うんです。それを16年間(の教員生活で)学んできましたから。

 ――技術の前に心。日本ハムの球団理念と合致するものがある。

 野球は必ずスランプや恐怖心といった壁にぶつかる。そういうときに(技術だけで)結果を出そうとしてもうまくいかない。考え方や取り組み方を日頃から準備しておけば早く乗り越えられる。技術や体のトレーニングだけが野球じゃないというのが日本ハムの教え方。引き出しが多くあるほど苦境を乗り越えられる。気付くのに10年かかるのを5年で気付く、10敗して分かることを3敗で分かるように。そういうものを伝えられたらいいと思います。

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