菅野 絶賛クロスファイア!阿部“ブルペン捕手押しのけ”受けた

[ 2013年2月4日 06:00 ]

杉内(左)原監督らが見守る中、投球練習をする菅野

 笑う菅野には福来る。右は外、左は内!巨人のドラフト1位・菅野智之投手(23=東海大)が3日、今キャンプ2度目のブルペンで初めて捕手を座らせ、76球を投げ込んだ。右打者の外角、左打者の内角を突く「クロスファイア」を披露。途中から受けた阿部慎之助捕手(33)も先発候補として太鼓判を押した。キャンプ3日目を終え即戦力右腕の評価は高まる一方である。

 菅野の声がブルペンで響いた。「外、お願いします!」。柳ブルペン捕手を座らせての1球目。最速157キロ右腕が投じた直球は、マウンドからホームベースまで対角線で突き進み、外角低めにズバッと決まった。

 「右打者の外が遠くなるように投げている。クロスファイアですね。そこを意識している」

 クロスファイアとは投手が利き腕と対角のラインに投げる直球。一般的には、左投手が右打者の内角をえぐった際によく使われる。菅野は右投手だが「あまり真上からではない」とスリークオーター気味の投法。さらにプレートの右端に立ち、左足を真っすぐに出す。ここから体を捻って投げ込むため、鋭角な角度が生まれる。左打者の内角には食い込み、右打者には遠く感じるわけだ。強靱(きょうじん)な下半身が支えている。

 初めて捕手を座らせ、76球。直球に加え、スライダーやカットボールを右の外角、左の内角へと投げ込んだ。捕手の後ろで軌道を見ていた阿部も吸い寄せられるように、60球目から受け手となった。正捕手相手の17球ではワンシームも披露し「光栄でした。積極的に受けたいと思ってもらえるボールを目指していきたい」と力を込めた。

 昨年一年間の浪人生活。菅野はプロやメジャーだけではなく、高校野球まで数多くテレビ観戦し、低めの制球の大切さを再認識した。川口投手総合コーチは「高めに浮いた球が一球もない」と絶賛。阿部も「投げっぷりがいい。軸になってもらいたい投手」と認めた。

 キャンプ初の日曜日で1万8000人が巨人キャンプを訪れた。菅野にとっては初の屋外ブルペン。だが緊張するどころか、投球の合間に笑みを浮かべた。昨季、新人で8勝を挙げたソフトバンク・武田のようなスマイル投法。その理由をこう言った。「東京ドームに行ったら何十倍、何百倍の人の前で投げる」。この男、やはり新人離れしている。

 ▼巨人・原監督 (菅野)智之は2回目でしょ?まあまあ、いい階段を上っていますよ。

 ▼巨人・柳ブルペン捕手 普通、新人なら真ん中から投げるのにいきなり外角から。凄いよ。140キロは出ていた。スピードもあって器用で、ダルビッシュみたいだね。

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2013年2月4日のニュース