侍ジャパン 高代コーチ WBCメンバーこう決める 注目は鳥谷

[ 2013年1月23日 11:25 ]

注目したいメンバーの1人、阪神・鳥谷

 【WBCコーチ・高代 延博 野球のツボ】WBC出場16チームの暫定登録メンバーが出そろった。今回はあくまで暫定ということで、日本代表は外野手を省いた形で26人を登録した。ポイントになるのは、2月15日から始まる強化合宿で、現在残っている33選手から、最終28人をどう絞り込むか。登録期限は米国時間の2月20日。合宿開始からすぐに結論を出さないといけない。

 最終28人をどう構成するか。基本線はすでにスタッフ会議で確認ずみだ。野手が15人、投手は13人。WBCでは投手の負担軽減のため投手は13人以上を登録しないといけない決まりになっている。投手14、野手14ということも考えたが、野手14人となると、DHを入れたスタメン9人を引くと、ベンチは捕手も入れて5人だけ。これでは作戦も苦しくなる。他の参加国も野手15人、投手13人という構成がメーンになってくると予想している。

 では15人をどう選んでいくのか。まずはスタメン候補9人を固めた上で、左右の代打の切り札、そして守備と足が使える選手をベンチに置いておきたい、と青写真を描いている。前回のWBCメンバーはスタメンを決めるのに、さほど迷わなかったが、今回は違う。故障の状態、仕上がり具合を含め、合宿入りしたときのコンディションがかなりのウエートを占めることになる。

 守備と足が使える控えという点では、前回、巨人・亀井を最後の最後で入れたことが忘れられない。原監督は自軍の選手優先と見られることを心配していたが、中日のコーチとして、敵に回して最も嫌な選手という印象があった亀井を、推薦したのは私だ。期待通りの活躍を本番でしてくれたし、イチローも「いい選手ですね」と驚いていたほど。亀井のような存在がアピールしてくれることを期待している。

 内野で注目しているのは阪神・鳥谷。彼が二塁も三塁もこなせるという能力を見せてくれれば、戦いのバリエーションは増える。打っても反対方向に強い打球が打てるだけに、いろんな起用法ができる選手だ。鳥谷をよく知る岡田前オリックス監督の話だと「走るだけなら赤星(現野球評論家)より速い」という。合宿では、そのスピードをぜひともチェックしてみたい。(WBCコーチ・高代 延博)

 ◆高代 延博(たかしろ・のぶひろ)1954年5月27日生まれ、58歳。奈良県出身。智弁学園-法大-東芝-日本ハム-広島。引退後は広島、日本ハム、ロッテ、中日、韓国ハンファ、オリックスでコーチ。WBCでは09年、13年と2大会連続でコーチを務める。浩二ジャパンの頭脳。

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