福留 WBCへ鈍感力のススメ「日本の感覚は捨てた方がいい」

[ 2013年1月21日 14:23 ]

ハワイで自主トレに励む福留

 ハワイ自主トレを終えて帰国した阪神新加入の福留孝介外野手(35=前ヤンキース傘下3Aスクラントン)が20日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表候補に入っている阪神勢の能見、鳥谷に金言を送った。過去2大会に出場経験があり、国際大会を戦う上での心得として“鈍感力”の重要性を説いた。

 世界一を決める国際大会で「野球」の常識は通用しない。06、09年WBC過去2大会に出場した福留は、自身の経験をもとに鳥谷と能見に助言を送った。

 「日本の野球の感覚は捨てた方がいいね。日本の感覚を持ちながら向こうの野球、向こうの審判で試合をしていると、えっ!?となって後を引いてしまったりする。また別物だ、という気持ちでやる方がいい。何でも起こりえるから」

 実際に洗礼を浴びたのは06年の第1回大会2次ラウンドの米国戦。同点の8回1死満塁、岩村の左飛で三塁からタッチアップした西岡が本塁へ。一塁走者だった福留も手を叩いて喜んだ。しかし、塁審がホームインを認めたのに対し、ボブ・デービッドソン球審は西岡の離塁が早かったとして判定を覆し、勝ち越し点は取り消された。藤川が打たれてサヨナラ負け。開催国・米国を有利に導いたともとれる“疑惑”のジャッジに、日本代表・王監督も「野球がスタートした国、アメリカでこういうことがあってはいけない」と憤慨した。

 アマチュア時代を振り返っても能見、鳥谷はともに国際経験が少ない。ストライクゾーンや審判の特徴、大会の雰囲気さえわからない2人にとって、まさに目からウロコのアドバイスだ。

 それだけではない。大会が開催される3月は、ペナントレース前の大事な時期。自身のコンディションを最優先に考えるべき、と語気を強めた。「話を聞いて頭で理解するのも必要だけど、経験することが一番の勉強になる。だからといって無理はしないように。時期が時期だけにね。それが一番怖い」

 福留は19日に自主トレ先のハワイから帰国しており、2月1日のキャンプインに備える。その一方で、新しいチームメートの活躍と日本のWBC3連覇を切に願っていた。 

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2013年1月21日のニュース