日本ハム 元キューバ代表をテスト 右の大砲補強へ

[ 2013年1月19日 06:00 ]

表彰イベントで侍ジャパンの山本監督(左)と笑顔で話す日本ハム・栗山監督

 日本ハムが2月の沖縄・名護キャンプで元キューバ代表のミッチェル・マルチネス・アブレウ内野手(34)の入団テストを行うことが18日、分かった。アブレウは昨季メキシコ・リーグの打率、打点で2冠とMVPに輝き、同リーグ3年間で67本塁打の右の大砲だ。かつてキューバ代表として来日経験があり、米国に亡命してメッツ3Aなどに所属した。入団となれば、02~04年に中日に在籍したオマール・リナレス以来の元キューバ代表選手として大きな話題を呼びそうだ。

 リーグ連覇を狙う栗山ハムが異色助っ人のテストを実施する。沖縄・名護キャンプで入団テストを受けるアブレウは、17歳からキューバ国内リーグで活躍。キューバ球界に詳しい関係者によれば「パワーヒッター。守備の方はそれほどでもないが、打つ方は凄い」という右の長距離砲だ。

 キューバ国内リーグではマタンサスに在籍し4年連続本塁打王に輝くなど、8シーズンで打率・315、115本塁打、432打点。一時はキューバ代表入りし来日経験もあるが、04年3月に米国へ亡命した。06年1月にはメッツとマイナー契約を結び、メジャー昇格できずに10年からメキシコ・リーグへ移籍した。

 昨季は同リーグのスルタネス・デ・モンテレイで108試合に出場。1メートル91、111キロの巨漢で右方向にも長打が打てるパワーと巧みなバットコントロールという柔軟性も兼ね備えている強打者として打率、打点の2冠とMVPに輝く活躍を見せ、オフはドミニカ共和国のウインターリーグなどでプレーした。

 「数字としては素晴らしいものを残している。ただ、実際に見てみないと判断できないので」と球団関係者はテストについて説明。過去にキューバ出身選手の日本プロ球界入りはバルボン(阪急)、デストラーデ(西武)らがいるが、元キューバ代表となれば、04年まで中日に在籍したリナレス以来9年ぶりとなる。

 日本ハムが現在契約している助っ人野手はホフパワーだけ。今季はFAでジャイアンツとマイナー契約を結んだ田中が抜けた穴を埋めるため、栗山監督は打線の再編も視野に入れている。主軸のうち糸井、稲葉、ホフパワーら左打者らに対して、右は中田1人だけというのが現状。右の長距離砲はチーム編成上の補強ポイントでもある。ドラフト1位・大谷(花巻東)の獲得でオフの話題を提供した日本ハムが、キューバ人テストで再び注目の的となる。

 ◆ミッチェル・マルチネス・アブレウ 1979年1月2日、キューバ生まれの34歳。キューバ国内リーグでは「マタンサス」に所属し、一塁、三塁、外野手を務めて8年間通算打率.315、115本塁打、432打点。亡命後、05年9月にレッドソックスと契約も解除。06年1月にメッツとマイナー契約。メジャー経験はなく10年からメキシコ・リーグでプレー。昨季は打率.371、29本塁打、106打点。1メートル91、111キロ。右投げ右打ち。

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2013年1月19日のニュース