ソフトB4位真砂 口だけではない「秋山監督超えたい」

[ 2013年1月16日 11:08 ]

ソフトバンク新人合同自主トレでストレッチを行う真砂

新士録 ソフトバンク・真砂勇介

 強烈すぎるアピールだった。ドラフト4位の真砂(西城陽)が一躍名前を売ったのが、昨年12月5日の入団会見。その席上で「3冠王を狙います」と高らかに宣言し、さらに「秋山超え」までブチ上げてしまった。

 「自分は走攻守が持ち味。中でも長打力と打球の速さに自信がある。スーパースターだった秋山監督を超えたい」

 これには秋山監督も苦笑い。武骨で荒々しいまでの心意気がうれしかったのか「真砂君、超えてください」と珍しくリップサービスしたほど。どよめく場内。高卒のドラフト4位ながら、大学No・1投手の東浜ら大卒組を食ってしまう勢いだった。入団会見の反響は大きく、高校に戻って教室に顔を出すとクラスメートから「よう、3冠王」と冷やかされたという。

 ただのビッグマウスではない。身体能力の高さはまさに「秋山級」である。1メートル84の大型外野手。背筋力220キロのパワーを持ち、高校通算52本塁打を放った。さらに50メートル6秒1の俊足、遠投105メートルの強肩。甲子園経験こそないが、スケールの大きさは確かだ。

 年明けの入寮でも目立っていた。母・栄子さん(48)に頼み、人生初の三分刈り。ツルツルの頭にし、プロの世界で生きていく決意を表現した。ビッグマウスは18歳の気負いもあるが、自身を鼓舞する面もある。父・達雄さん(52)は中国・黒竜江省出身。真砂は「高い私立には行けなかった。父は日本語が上手にしゃべれず、苦労したと思う。活躍して、両親を楽にさせてやりたい」と親孝行を誓う。

 昨年末には知り合いの運動具店を通じ、同じ京都出身で先輩になる大隣と自主トレ。いち早くプロの心構えを学ぶなど、抜け目ない一面もある。

 「1年目でまずは1軍を経験し、2年目でチョロチョロと出る。3年目でレギュラーを獲って、将来は日本を代表するような選手になりたい」

 真砂は秋山モデルのバットを黙々と振り続け、プロでビッグになる。 (山本 智行)

 ◆真砂 勇介(まさご・ゆうすけ)1994年(平6)5月4日、京都府生まれの18歳。小4から野球を始め、中学時代に在籍した京都木津川シニアでは4番・捕手で全国大会に出場した。西城陽では1年秋から4番。2年秋の公式戦では5戦5発をマークした。1メートル84、80キロ。右投げ右打ち。

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