浩二監督 阿部“主将”とグアム対談、侍の4番に任命

[ 2013年1月16日 06:00 ]

「4番は頼むぞ」とグアムの海をバックに阿部(左)に話しかける山本監督

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの山本浩二監督(66)が15日にグアム入りし、主将に指名した巨人・阿部慎之助捕手(33)と対談を行った。メジャー組不在で臨む3連覇に向け、席上で山本監督は阿部を直々に4番打者に任命。国内組の力を結集し、日本で行われる1次、2次ラウンドを突破を力強く誓い合った。

【メンバー 侍ジャパン日程 1次R組分け】

 山本監督 常夏の島で、明けましておめでとう。いい色になってるね。

 阿部 出足はどうかなと思いながらスタートしたんですけど。今はもういろんな部分で精度を上げてきています。

 山本監督 去年のクライマックス・シリーズの時かな。監督に決まって、まだメンバーが決まっていない時に、もうキャプテンと言ったもんな。

 阿部 はい。そうでしたね。

 山本監督 そうしたら2試合くらい打たんかったよな?責任感じたで、あれは。

 阿部 ダメでしたね。動揺しました。

 山本監督 でも最初からそういう気持ちで決めていたし、日本シリーズは期待通り、活躍してくれたから本当にホッとしたよ。それで今の気持ちは普段と違う?

 阿部 全く違いますね。責任感があるので。自分で抑えようと思ってもペースアップしたり。だけど自分にもいいことだと思って、できる心と体の準備はきちんとしないととは、いつも以上に思っています。

 山本監督 打線の中心、また守りの要としてやってもらうんだから。4番いくからね。

 阿部 はい、頑張ります。

 山本監督 よっぽどのことがない限り、4番はもう決めているからね。後は4番でもバントはあるよというのも、多分分かっているだろうし。去年もやっているから。

 阿部 短期決戦なのでそういう細かいプレーが大事になっていきますし、いかに自己犠牲ができるのかというのはポイントだと。4番がバントしたりというのは当然だと思っています。

 山本監督 守りも頼むけど、投手もいいよな?

 阿部 普段対戦していて当たりたくない投手がほとんど。そういう選手とバッテリーを組めるのも楽しみだし、野球観とかも聞いてみたい。ともに学んでいければ。シーズンでまた当たるかもしれないけど、それを度外視して日本のために意見交換して何かできればと思いますね。

 山本監督 慎之助はもうベテランだけど、若い選手にはもの凄くいい経験になると思っている。

 阿部 これからの日本のプロ野球のことをしっかり考えて、WBCも過ごしていきたいと思います。若手がどれだけ頑張ってくれるかで今後のプロ野球も変わってくる。

 山本監督 前回もダルビッシュとか岩隈とか、このWBCでいい意味で自信を持ちメジャーに行った。今回そのメンバーは辞退ということになったけれど、反対に日本の野球の強さというかそういうものを見せられる場でもあるんじゃないか。

 阿部 僕もその通りでメジャーの選手がいないとか、いろいろ言われたくもない。日本の細かい野球といいますか。それはどこの国にも負けていないと思う。

 山本監督 去年のキューバ戦では若い選手たちの国際試合で頑張るという気持ち、真剣さが凄く伝わってきた。今度はそれがもっと凄くなる。控えでもみんな気持ちが一つになると思うのよ。

 阿部 そうだと思います。僕も前回は右肩の脱臼明けでベンチやブルペンから見ていた。でもそのベンチにいる選手でも何か役割はあると思う。それを全うすれば、すぐ行くよ、と言われた時に準備もしているでしょうし。その役割を探せる選手がそろっていると思います。

 山本監督 例えばチェンジになって帰ってくる。それを迎える姿とか。

 阿部 小さなことですが、大リーグの試合を見てもそういうことをやっている人をあまり見たことがない。そういう日本のプロ野球のいいところを前面に出せれば。

 山本監督 それでこの若い連中がいい経験をして、力があれば、メジャーに行ける。慎之助も行けるんじゃないの?

 阿部 いや、僕はもう諦めています。

続きを表示

この記事のフォト

2013年1月16日のニュース