イチロー、侍ジャパン“愛の無視” 「見てますけど」

[ 2013年1月16日 06:00 ]

自主トレを公開、ランニングをするイチロー

 ヤンキースのイチロー外野手(39)が15日、ほっと神戸で自主トレーニングを公開した。3月に開催される第3回WBCへの出場を辞退。過去2大会で日本を優勝に導いたリーダーは、今大会の侍ジャパンのメンバーに対してあえてエールを送らず、突き放した。メジャー13年目、40歳を迎えるシーズンで、残り116本に迫った日米通算4000安打と悲願のワールドシリーズ制覇に挑む。

 侍ジャパンと、自身との決別。WBCへの思い入れが人一倍強かったからこそ、イチローはそれを明確にした。「出場選手にアドバイスがあるか」と問われた時だ。

 「過去2回、関係した選手がどういう思いでいたか、あの結果になったのか、出場しない僕がここで説明するべきではない」。普段通りの淡々とした口調ながら、現在のメンバーにメッセージを送ることを拒んだ。

 昨年11月19日。今回のWBCを辞退した理由を「09年の第2回大会を終えた時点で、3回目の出場は考えられませんでした」と明かした。連覇に貢献した一方、09年大会後は胃潰瘍でメジャー自身初の故障者リスト入り。「想像以上の苦しみ、つらさ、痛覚では感じない痛みを経験した」と振り返るほど、命を削る戦いだった。

 だからこそ、出場しない立場から、安易に言葉を送ることができなかった。「近くにいる人、やっている人以外は結果になる。(でも)中にいる人はそうではない」。自らを近くにおらず、外にいる側として、一線を引いた。その上で、こう付け加えた。「もちろん(動向は)見てますけれどね」と、口を挟むことなく、遠くから見守りながら自らの戦いに向かう。

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